「西日本エリアでメトロエリア・ネットワークを拡張」Colt星野社長

ColtグループのAPAC部門として、法人向けネットワークや音声、データセンターサービスを提供するColtテクノロジーサービス。2023年は、強みである自前の光ファイバーネットワークを西日本エリアでさらに拡張する。また、昨今のクラウドシフトやトラフィック増に対応するため、SD-WANへの投資を強化する方針だ。

Coltテクノロジーサービスは2023年2月15日、企業戦略に関する説明会を開催した。

Coltグループでは、「Wherever(どこでも)、Whenever(いつでも)、However(どのようにでも)」つながるネットワークを顧客企業に提供することを今年のミッションとして掲げている。

このうち、どこでもつながる環境作りについては、世界52都市に展開している光ファイバーネットワークをさらに拡張する。「他のグローバルプロバイダーは、自国以外では現地の通信事業者からネットワークを借りているのに対し、我々は海外でも自前で展開しているのが大きな特徴」と星野真人社長は強調した。

Coltテクノロジーサービス 代表取締役社長 兼 アジア代表の星野真人氏
Coltテクノロジーサービス 代表取締役社長 兼 アジア代表の星野真人氏

国内では、2017年に名古屋、2019年に京都および神戸で光ファイバーによるメトロエリア・ネットワークを開通。さらに2024年中に広島、岡山、福岡(北九州)での開通を予定している。

 

西日本エリアを重点的に拡張する

西日本エリアを重点的に拡張する

西日本エリアを重点的に拡張しているのは、エンドユーザーやパートナーである通信事業者から強い要望があること、海底ケーブルの敷設がこのエリアに多いことなどが理由だという。

海外では、東南アジア6カ国でカバレッジの拡張を検討している。また、自前でのエリア展開が難しい地域についてはパートナーと協業する方針で、2022年11月、米Lumen TechnologiesのEMEA(欧州、中東、アフリカ)事業を18億ドルで買収する意思があることを発表した。

Coltでは、どのようにでもつながる環境のため、SD-WANにも注力する。

背景にあるのが、ネットワークの使い方の変化だ。世界的な傾向としてクラウドへの移行が進んでいる。ColtのインターネットバックボーンのトラフィックもMicrosoftやAWSなどのクラウドサービス向けが最も多く、全体の46%を占める。CDNやCASBも含めると、「約70%がクラウド向けという驚くべき数字」(星野社長)だ。クラウドシフトともにIPトラフィックも増え続けている。

Coltのインターネットバックボーントラフィックの約70%がクラウド向けだ

Coltのインターネットバックボーントラフィックの約70%がクラウド向けだ

こうしたなか、効率的にクラウドを利用するため、ソフトウェアでより柔軟にネットワークを制御するSD-WANが日本および海外で拡大傾向にある。

 

国内外のSD-WAN市場が拡大している

国内外のSD-WAN市場が拡大している

Coltが提供するSD-WANサービスも好調で、グローバル全体で200社以上に導入されている。併せてColtではSD-WANへの投資を強化しており、2022年度の投資額は前年度比9%増加した。

2016~2022年の投資額は、総額約20億円超となっている。「SD-WANはソフトウェアで日々新しいものが出てくる。そうした動きに対応するには人材が課題」(星野社長)であり、人材確保に向けて投資を増やしていく必要があるとの考えを示した。

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