「“Universal One”は、クラウド時代に相応しいシームレスなネットワークサービスだ」。NTTコミュニケーションズ(NTTコム)・ビジネスネットワークサービス事業部販売推進部担当部長の中矢順一郎氏はこう説明する。
4月からスタートしたNTTコムの企業向け新ネットワークサービス「Universal One」は、閉域網とクラウドを直結して安全に利用する「クラウドシームレス」、レイヤ2/レイヤ3を1つのネットワークで提供する「レイヤシームレス」、端末からクラウドまで一元的に運用・保守をする「シームレスオペレーション」、国内外のネットワークを統合して提供する「グローバルシームレス」の4つを1つのネットワークサービスとして提供するものだ(図表1)。
図表1 「Universal One」サービスイメージ |
このUniversal Oneは、NTTコムの「統合VPN」の後継サービスの位置付けになる。同社はこれまで、エントリー型VPNとして「Group-VPN」「Group-Ether」「OCN VPN」、スタンダード型VPNとして「Arcstar IP-VPN」「e-VLAN」、複合型VPNとして「Dual Active VPN」をラインナップし、統合VPNのブランドの下、VPNの使い分けをユーザーに提案してきた。だが、ネットワークの伝送技術が進化するごとにサービスを追加してきたため、メニュー数が200にも膨らみ、ユーザーが選択しにくい状態になっていた。
Universal Oneではメニューを「プレミアム」「ギャランティ」「バースト」「ベストエフォート」というように品質に応じた4種類のシンプルな回線プランに変更したため、ユーザーは容易に選択できるようになったという(図表2)。
図表2 「Universal One」のメニュー |
また、中矢担当部長は「統合VPNの後継という位置付けだが、BizCITYをかなり意識して開発した」と語る。同社は今後、クラウドサービス「BizCITY」を本格展開していく方針を打ち出している。だが、従来のネットワークサービスでクラウドを利用するにはさまざまなハードルがあった。具体的にはまず、クラウドを利用するには別回線が必要であり、クラウドとネットワークを個別に導入・運用せざるを得なかった。また、ネットワーク設計のためのスキルと期間が必要、二重化の導入が非常に困難といった課題もあった。Universal Oneは、後述のように、これらすべてを解決しており、「クラウドの力を最大化するネットワークになった」という。