「AWS Private 5G」が狙う裾野拡大 数日でプライベート5Gを構築可能に

2021年11月の発表時に米国で大きな話題を集めた「AWS Private 5G」。容易にプライベート5Gを設定・管理できるマネージドサービスで、数日間での構築を可能にする。小規模ユーザーの導入も可能だ。

Amazon Web Services(AWS)からプライベート5G市場向けに、画期的なサービスが登場した。2022年8月、米国東部(オハイオ)、米国東部(バージニア北部)、米国西部(オレゴン)の各リージョンで一般提供を開始した「AWS Private 5G」がそれだ。

AWS Private 5Gとはどのようなサービスなのか。その前に、米国のプライベート5Gについて簡単に見ておこう。

米国では、携帯電話事業者(MNO)が提供するパブリック5Gとは別に、企業等が自営システムとしてプライベート5Gを構築することができる。このプライベート5Gは、国防総省(主に米国海軍)に使われている3.5GHz帯(3.55-3.7GHz)の一部を民間利用に開放したCBRS(Citizens Broadband Radio Service)帯を利用する。

CBRS帯は共用周波数帯であり、国防総省など既存利用者(Tier1)、優先アクセス免許(PAL)取得者(Tier2)、周波数免許不要の一般権限(GAA)ユーザー(Tier3)の順に利用の優先権がある。

企業などがプライベート5Gを構築するためCBRSを使うには、PALを取得するか、GAAユーザーとしてSASに登録する必要がある。

SASとは、利用者間の周波数共用のためのデータベースだ。具体的には、沿岸部に設置されたセンサーが海軍艦船レーダーの接近を検知するとSASに通知。SASは電波伝搬等を勘案した干渉計算を行い、一次利用者である海軍艦船レーダーに干渉を与えないよう、二次利用者であるPAL取得者やGAAユーザーに周波数を動的に割り当てる。

PALについてはオークションが実施され、これまで228事業者によって落札されている。

今回、AWSは「PALとして優先アクセス免許を取得するのではなく、PAL経由でGAAユーザー向けにネットワーク機能を提供する」とアマゾン ウェブ サービス ジャパン シニアエバンジェリストの亀田治伸氏は話す。

アマゾン ウェブ サービス ジャパン シニアエバンジェリスト 亀田治伸氏

アマゾン ウェブ サービス ジャパン シニアエバンジェリスト 亀田治伸氏

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