NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2022年10月18日、コネクティッドカーやロボットなどの「移動するIoT機器」にエッジコンピューティングを適応させるための基礎技術を開発したと発表した。
本技術を搭載した「ネットワークエッジ ソリューション」の先行提供を2022年12月より段階的に開始。本ソリューションを実際に事業現場で実証する企業を募集する。本格提供は2023年度の予定としている。
今回開発・提供するネットワークエッジ ソリューションは、モバイルネットワークの近傍にある複数の拠点で行うエッジコンピューティング処理によって「移動するIoT機器」が必要とする機能を実現するものという。
例えば、コネクティッドカーでは、稼働状況が一律ではなく、広域での移動が発生することに加え、走行する大量の車両から送られるセンサー情報や位置情報などさまざまなデータを処理する必要がある。本ソリューションでは、複数のエッジ拠点が協調することで大量の接続、大量データの分散処理を行い、コネクティッドカーへの適応を可能とする。
また、本ソリューションでは、マイクロサービスアーキテクチャを採用した個別機能を提供しているため、クラウドやオンプレミスなど、ユーザー側の環境に合わせて必要なものを取捨選択して活用することができる。具体的な機能は次の通り。
ネットワークエッジ ソリューションで提供する機能
(1)広域分散メッセージキューイング機能
通信環境の変化や広域での移動に対応するため、データバッファリングとエッジ拠点同士のデータ連携を行う機能。エッジ拠点でデータを一時保持し、拠点同士で連携することで、移動するIoT機器がデータ受信可能な状態になり次第、近傍のエッジ拠点からデータを送信する。
(2)ディスパッチャ機能
IoT機器が複数のクラウドと連携する場合に、クラウドサービスとの連携機能を本ソリューションにすることで柔軟なデータ振り分けを可能にする。
(3)通信終端・認証機能
IoT機器との通信を終端するネットワークエッジにおいて、デジタル証明書を用いてクライアント・サーバーの認証を行うmutual TLSを適用する。