IOWNオール光網に“一番乗り”、NECが光伝送をオープン化する4製品

NECが、光伝送装置のオープン仕様であるOpen ROADMやTIPに準拠する新製品を発表した。NTTの「IOWN構想」の基盤となるオールフォトニクス・ネットワーク(APN)にも対応。光伝送市場のオープン化をリードすることで、シェア25%獲得を目指す。

通信ネットワーク業界では、ルーター/スイッチに続いて、光トランスポートの領域でもオープン化が進んでいる。これまで一体型で提供されてきた光伝送装置の機能を分離し、機能ごとの入れ替えやマルチベンダー構成を可能にすることで、柔軟かつ迅速な機能拡張とコスト最適化を実現するのが狙いだ。

このオープン化は、Open ROADM MSAやTelecom Infra Project(TIP)といった業界団体、コミュニティで推進されている。また、NTTの「IOWN構想」においても、光伝送装置を含むネットワーク機器のオープン化/マルチベンダー化は重要なテーマの1つだ。

光伝送装置の従来モデルとオープン化モデル

光伝送装置の従来モデルとオープン化モデル

IOWN構想は、電気信号へ変換することなしに光のままエンドツーエンドで通信する「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」をその基盤としている。ネットワーク機器ベンダーも参加してIOWN実現を推進するIOWN Global Forumは2022年1月に、このAPNをマルチベンダー構成で実現するためのリファレンスアーキテクチャ「Open APN」の第一版を公開。これにより、様々なベンダーが“APN対応製品”を開発できる環境を整えた(参考記事:IOWNは2022年実装開始 オール光網の骨格作りがスタート)。

オープン化をリードし「シェア25%を目指す」

これを受けて、NECはOpen ROADMとTIPの仕様に準拠し、かつIOWNのOpen APNにも対応する新たな光伝送装置を開発。2022年9月15日に「SpectralWave WX シリーズ」として4製品を発表した。同年10月1日から出荷を開始する。

NEC ネットワークソリューション事業部門 フォトニックシステム開発統括部 統括部長の佐藤壮氏

NEC ネットワークソリューション事業部門 フォトニックシステム開発統括部 統括部長の佐藤壮氏

Open APN対応製品をいち早く市場投入することで、NECは光トランスポート市場のオープン化と、IOWNの社会実装をリードしたい考えだ。NEC ネットワークソリューション事業部門 フォトニックシステム開発統括部 統括部長の佐藤壮氏は、「オープン化製品の本格導入は2025年から2026年」としたうえで、「2027年にオープン光伝送市場のシェア25%を獲得したい」と目標を述べた。

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