「発信」「気づき」「つながり」で組織の壁を打ち破る《3-3》企業風土に合わせた味付け~Nextiの運営面の特徴――NTTデータ流ソーシャルテクノロジー

「Twitter」や「SNS」に代表されるソーシャルテクノロジーが、企業でも使われ始めた。厳しい経営環境を乗り切るために、組織へ組み込み、コミュニケーションの活性化に役立てようとする企業も現れている。本連載では、2009年のダボス会議で「持続可能な100社」に選ばれたNTTデータの取り組みを中心に、ソーシャルテクノロジーのメリットから活用のポイントを分かりやすく紹介する。

3.3.2 工夫を凝らしたNextiの4つの特徴

Nextiの機能面を見ると、一般的なSNSと大差はありません。早期のオープンを優先し、カスタマイズを最低限に抑えたからです。その分、運営面では限られた時間を最大限、雰囲気作りやルール作りの検討に充て、「NTTデータならではの味付け」を施しています。特徴的なものを4つ紹介します。

その1:利用規定はたった3行

一般的なサービスやシステムでは、利用前に詳細な「利用規定」を読み、同意することを求められます。それに対してNextiの利用規定は、「私たちはこんな人にNextiを使ってほしいと思っています」で始まり、次の3行で終わりです(図3-10参照)。

図3-10 Nextiの利用規定
図3-10 Nextiの利用規定
図3-10 Nextiの利用規定

(1)互いをリスペクト(尊敬・尊重)できる人
(2)“自分ごと”で考え、一人称で語り、自分の行動に責任を取れる人
(3)Nextiを通じて、気づきを得、何かを生みだせる人

たった3行の利用規約は、「これとあれがダメ」と文章で規定して行動を縛るより、「Nextiに込めた思いに賛同してくれる人に使ってほしい」という理念を、極力インパクトある形で伝えることに重きを置いた結果です。

検討時には、「業務外の利用も許容する以上は、クレームや問題を未然に防ぐ意味でも、あらゆるシチュエーションを漏れなく想定し、対応策を利用規定に記載すべきではないか」という意見も出ました。しかし、様々な議論を経て「社員一人ひとりが自分のとった行動によってNTTデータの名前をおとしめないかを考え、自浄作用の働く文化を醸成することこそ、企業改革そのものではないか」という結論に達しました。NTTデータ社員が社会人として当たり前の品格と、それを相互に高めあう精神の持ち主であることを信じたのです。

一方、Nextiを運営していく間には、曖昧な表現では解決できない場面も出てくることも想定し、その際に参照してもらえば良いという位置づけで、「第1条、第2条」といった詳細な規定類も作成し、二段構えとしました。3行の思いが憲法なら、利用規定は法律に相当します。利用規定は、Nextiへの初回登録画面に表示する他、ページ下部にリンクを張って、必要なときにいつでも参照できるようにしました。

本連載は、2010年1月にリックテレコムから発行されたソリューションIT新書『NTTデータ流ソーシャルテクノロジー ~「発信」「気づき」「つながり」で組織の壁を打ち破る~』(著者・Nexti運営メンバー有志)を転載したものです。

鈴木宏史
株式会社NTTデータ 第一公共システム事業本部
1999年、NTTデータ入社。入社以来、自治体系システムを担当分野として、営業及びシステム開発に従事する。Nextiには2006年2月より参画し、全体企画及びユーザー対応等を担当する。また、幹事長として合宿や忘年会等のイベントを仕切っている。

豊島やよい
株式会社NTTデータ 営業企画部
1998年、NTTデータ通信入社。SEとして官公庁向け電子申請システムの開発等を手がけた後、航空・空港業界の営業・マーケティング、新規ビジネスの立ち上げを経て、現部署に異動。全社営業力強化を目標に、前線の営業担当者向けの営業改革施策立案・運用に携わる。本書内の「新・行動改革WG」に参加。Nexti立ち上げメンバーとして、的場聡弘氏とともに「こころざし」を起草。また「3行の利用規定」の起案やユーザー対応など、技術力を共感力で補う立ち位置で活動している。

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