<特集>5Gこれからどうなる?日本の5Gはこう進化する 3つのキーポイントとは?

商用化から半年を経た今も、利用エリア・機能ともにかなり制限されている日本の5G。その本領が発揮されるのはこれからだ。5Gネットワークは今後どう進化していくのか。3つの論点で道筋を展望する。

5Gネットワークの展開はまだ始まったばかり。この10年のLTEの進化と同じように、5Gシステムも時間をかけながら徐々に進化していく。

5Gが真の姿を見せるのはいつになるのか。最初の節目となりそうなのが2021年度末だ。

この時点で5G基地局数は全国で10万程度に達し、エリアカバーに適した低周波数帯のNR(New Radio)化も合わせて、5Gが全国各地で使えるようになる。5Gコアネットワーク(5GC)の導入も進み、SA(スタンドアロン)構成による5Gサービスが可能になっているはずだ。さらに、今年7月に完了したリリース16(R16)の仕様も導入され、本格的なURLLC(超低遅延・高信頼通信)等が使用可能になる。

エリア整備と周波数利用

ミリ波は地方にも積極展開 LTE帯域のNR化がスタート

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクのエリア展開計画をまず整理する。

ドコモは2021年6月に1万局、2021年度末に2万局、KDDIとソフトバンクは本年度末に1万局、2021年度末に5万局を設置する計画で、これには共同で展開する共用基地局も含む。KDDI 技術企画部 計画G グループリーダーの相馬匡靖氏によれば、「インフラシェアはSub6帯(3.7GHz帯)やミリ波(28GHz帯)など複数の周波数帯を考えている」。ドコモもインフラ共用を検討中だ。無線アクセスネットワーク部 無線企画担当 担当課長の池田大輔氏は、「お客様に早期エリアの提供ができ、オーナーの交渉負担軽減にもつながると考えている」と話す。

ミリ波サービスもいよいよ開始

対応する端末はまだ限定されるものの、ミリ波を利用したサービスも先頃開始された。

KDDIは9月17日から下り最大4.1Gbps/上り最大481Mbpsでサービスを開始した。ドコモも9月23日から約250局・164カ所でスタート。通信速度は下り最大4.1Gbps、上り最大278Mbps(2020年冬以降に最大480Mbps)になる。両社とも、Sub6帯(3.7/4.5GHz帯)より高速な通信が可能だ。ソフトバンクも「Sub6帯に引けを取らない数のミリ波を打っている。年度末に向けて端末の対応を進める」と常務執行役員 モバイルネットワーク本部 本部長の関和智弘氏は話す。

ソフトバンク 常務執行役員 モバイルネットワーク本部 本部長 関和智弘氏
ソフトバンク 常務執行役員 モバイルネットワーク本部 本部長 関和智弘氏



ドコモ・KDDIは通信容量が必要なスポットを中心に地方都市にも幅広くミリ波を展開している。ドコモ ネットワーク部 技術企画担当部長の中南直樹氏は「高トラフィックな場所に加えて、地方創生でも使う。自治体や法人のパートナーとのソリューション展開を目的に構築する」と説明する。

月刊テレコミュニケーション2020年11月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

続きのページは、会員の方のみ閲覧していただけます。

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

FEATURE特集

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。