楽天とNECが5Gコアを共同開発 世界市場にチャレンジへ

楽天モバイルとNECは、コンテナ化された5Gコアネットワーク(5GC)を共同開発すると発表した。楽天が来年開始するスタンドアロン方式の5Gサービスに採用する。さらに“Japan Quality”の5GCを海外の通信事業者や政府にも販売していく計画だ。

「日本の2つの会社がグローバルなテレコム業界にチャレンジすることについて、奇異に思われる方もいるかもしれない。しかし、私が望んでいるのは、単なる成功ではない。この“Japan Quality”をテレコム業界の新たなスタンダードにしていきたいと思っている。日本のコンシューマーの世界で最も要求水準が高く、日本で成功すれば、他の国でも成功できる」

楽天 代表取締役会長 兼 社長の三木谷浩史氏は2020年6月3日、海外メディアも対象にしたウェビナーでこう意気込んだ。

楽天 代表取締役会長 兼 社長の三木谷浩史氏
楽天 代表取締役会長 兼 社長の三木谷浩史氏

楽天モバイルとNECは同日、コンテナ技術を用いたスタンドアロン(SA)方式の5Gコアネットワーク(5GC)を共同開発することで合意したと発表した。楽天モバイルは2021年にSA方式での5Gサービス開始を予定しており、それに採用する。

さらに、このコンテナ化された5GCも組み込んだ楽天モバイルの仮想化ネットワーク「Rakuten Communications Platform(RCP)」を、世界各地の通信事業者が仮想化ネットワークを構築するためのソリューションとしてグローバル展開していく。

すでに、かなりの数の通信事業者や政府からRCPに対する引き合いがあると三木谷氏は説明した。

楽天モバイルとNECが共同開発する5GC
楽天モバイルとNECが共同開発する5GCの概要図。
NECのソースコードをベースに、共同開発していく

NECを5GCのパートナーに選んだ理由日本では今年春から楽天モバイルを除く3キャリアで始まった5Gの商用サービス。ただし、現状の5Gは、制御用通信やコアネットワークに4G/LTEの設備を使ったノンスタンドアロン(NSA)方式だ。5Gで期待の高いネットワークスライシングを提供するためには、5GCを導入してSA方式に移行する必要がある。

「我々は5GCのパートナーの検討を慎重に行ったが、素晴らしいパートナーであるNECに決定させていただいた」(三木谷氏)

NECは2018年からOSS/BSSで楽天モバイルをサポートしており、さらに今回のパートナーシップに先立ち、サブ6向け5G基地局の開発でも連携している。そうしたなかで培われた信頼関係が、5GCの共同開発につながった。

なお、楽天モバイルは今年6月にNSA方式での5G開始を予定していたが、新型コロナウイルスによる検証作業の遅れを理由に、5Gサービス開始を9月に延期している。「9月段階での5G基地局数は数百レベルと思っている」と楽天モバイル 代表取締役社長の山田善久氏は話した。

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