自営LTEを“Wi-Fi並み”簡単導入 NECとBBバックボーンが新sXGPシステム

NECが自営LTE(sXGP)の新システムを開発した。BBバックボーンと組んで、導入・運用の障壁を解消するための機能を搭載。“Wi-Fi並み”のコストと手間で使えるようにしたことで、構内PHSの代替も狙えそうだ。

「企業用Wi-Fiと同等の手間とコストでプライベートLTEが使える」

NECとビー・ビー・バックボーン(BBバックボーン)が組んで2月25日から提供を開始した新sXGPシステムについて、NEC ワイヤレスアクセスソリューション事業部 シニアエキスパートの山哲夫氏はそう語る。自営型でLTEネットワークを構築・運用するプライベートLTEが、グッと身近なものになりそうだ。

NECの山哲夫氏(左)とビー・ビー・バックボーンの戸出俊久氏

NEC ワイヤレスアクセスソリューション事業部 シニアエキスパートの山哲夫氏(左)と、ビー・ビー・バックボーン sXGP事業統括部 事業企画部 部長の戸出俊久氏

導入障壁をタッグで解消sXGPは、1.9GHzの周波数帯を使用する自営通信用のTD-LTE規格だ。無線免許の申請や無線従事者の設置が不要なため、手続きの面で言えば、プライベートLTEの利用を始める際の障壁は低い。

ただし、実際に無線基地局やコアネットワーク設備を導入し運用することは、一般的な企業にとって決して容易なことではなかった。これらの設備はもともと通信キャリア向けに開発されており、価格が高く運用も難しい。さらに、SIMの登録・管理には煩雑な作業が伴う。

これらの課題に対して、NECはより安価で運用しやすい企業向けの製品を開発、BBバックボーンがキャリアのノウハウを活かしてSIMの開発・運用や公衆網との連携等を担うことで障壁を排除しようというのが今回の取り組みの狙いだ。山氏が、「お客様はAP(基地局)とコントローラーを入れるだけ」と語れば、BBバックボーン sXGP事業統括部 事業企画部 部長の戸出俊久氏も「今までキャリアしかできなかったようなLTEシステムをそっくりオンプレミスで入れられる」と話す。

両社が提供する新sXGPシステムは図表1の赤枠で示すように、企業向けに開発したsXGP基地局(AP)と、LTEのコアネットワーク(EPC)機能を内蔵するAPコントローラーで構成される。APコントローラーには加入者情報を管理するHSS(Home Subscriber Server)も搭載。インターネット等に接続せず、完全にオンプレミス型で使用することも可能だ。

図表1 プライベートLTE(sXGP)システムのイメージ

図表1 プライベートLTE(sXGP)システムのイメージ

月刊テレコミュニケーション2020年4月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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