新製品&新サービス

HPEが仮想RAN・MEC向け小型サーバーを発表

持ち運べるデータセンターで5Gエッジを作る

文◎坪田弘樹(編集部) 2019.11.26

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ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)が、エッジコンピューティング向けサーバーの新製品を発表した。ターゲットは、5Gの仮想RANやMEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)基盤。持ち運べるほど小型軽量なサーバーで、仮想ネットワーク機能からMECアプリケーションまで稼働させることができる。通信事業者の5Gだけでなく、ローカル5Gでの利用も想定している。


これまで製造業を主要なターゲットとしてエッジコンピューティング向け製品「HPE Edgeline Converged Edge System」(以下、Edgeline)を提供してきたHPEが、2019年11月26日にEdgelineの4機種目となる「HPE Edgeline EL8000」を発表した。

EL8000は既存ラインナップとは異なり、「テレコムエッジ」をターゲットとする製品だ。通信事業者が構築を進めている5Gネットワークにおいて、仮想RAN(Radio Access Network)やMEC基盤として使われることを想定している。


日本ヒューレット・パッカード 執行役員 ハイブリッドIT事業統括の五十嵐毅氏(左)と、
ハイブリッドIT事業統括 ハイブリッド製品統括本部 Edgeline カテゴリマネージャーの北本貴宏氏


また、日本ヒューレット・パッカード 執行役員 ハイブリッドIT事業統括の五十嵐毅氏は、企業や地方自治体等が自営ネットワークとして構築・運用する「ローカル5G」もEL8000の有力なターゲットであるとした。EL8000にはAI処理を得意とするGPU等の搭載も可能であり、RAN機能のVNF(仮想ネットワーク機能)を稼働させながら、同時にネットワークのエッジで機械学習の推論処理等を行うことも可能。これにより、「アンテナ局の近くにデータセンター的な機能を持たせることができる。今後、こうした用途を可能にする『5Gクラウド』という考え方が出てくるのではないか」と話した。



EL8000は、5Gまたはローカル5Gの仮想RAN(vRAN)やMECでの利用を想定している

データセンターと同じアプリをエッジへ今回発表されたEL8000は、Edgelineシリーズの最上位機種となる。

高さは21.2cm(5U)、幅は19インチラックの半分の22.1cm、奥行きは43.2cmの筐体に最大4つのブレードを搭載可能だ。CPUはIntel Xeon SP(8-24コア)を最大4プロセッサ、メモリは合計4TB、ストレージも77.8TBを搭載できる。



EL8000とブレードサーバーの仕様
※ 本記事の初掲載時、上記「HPE ProLiant e910 2U Server Blade」のメモリ最大容量が
768TBと表示されていました。正しくは上画像の通り「768GB」となります。


最大の特徴は、一般的なデータセンターで使われる性能を、電力や設置スペース、動作温度の制約が大きいエッジ環境で使えることにある。ハイブリッドIT事業統括 ハイブリッド製品統括本部 Edgeline カテゴリマネージャーの北本貴宏氏は、「これまでのエッジは、省電力にするためにコア数の少ないCPUを使うしかなかった。EL8000なら、データセンターで実施していたことをエッジでそのまま動かせる」と話す。

EL8000の動作温度は0-55℃で、耐衝撃・振動性能も備える。また、通信局舎で用いられる通信装置等の耐震試験規格である「NEBS Level3」にも準拠している。なお、希望小売価格(税抜)は、214万7000円(HPE ProLiant e910 1U Blade Serverを1機搭載時)からとなっている。

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