福岡市に本拠地を持ち、IoTデバイスの開発に強みを持つBraveridge。ワイヤレスジャパン2019/ワイヤレスIoT EXPO 2019ではBluetoothやLTE-Mのソリューションが展示されていた。
目玉の1つが「BLE-LTEルーター」。Bluetoothデバイスのデータを集約し、クラウドに接続するルーター/GWの役割を果たす。内部にはIIJが提供するSIMが組み込まれており、LTE閉域網を通じて、同社が開発したクラウドプラットフォーム「IFCs : Interface Cloud Service」に集められる。クラウドから下り通信で指示することにより、任意のタイミングでのセンシングも可能だ。
BLE-LTEルーター。 Braverivge製品であれば 100台まで通信を集約できるという |
Braveridgeのクラウドプラットフォームを活用した データセンシングのイメージ。 閉域網を通りセキュアにデータを扱えるという |
長距離通信用の通信規格としてはLPWAやLTEなども候補に挙がるが、手嶋氏は「BLE を使うことで、画像などの重いデータも送ることができるうえ、数千円台からという安価な価格でデバイスを提供することができる」と話した。なお、各デバイスはボタン電池1つで数か月から1年ほど稼働するイメージだという。
こうした特徴を活かして同社とKDDIウェブコミュニケーションズは小型農家向けのセンシングソリューション「てるちゃん」の実証実験に沖縄県糸満市で取り組んでいる。各農地にセンサーを取り付け、BLE-LTEルーターに集約してクラウドサーバーへデータ送信。温度や照度が閾値を超えたら携帯電話に通知する。参考価格は初期費用1万円/月額費用1000円を予定している。
簡単・低価格が強みの農業IoTソリューション「てるちゃん」 |
手嶋氏は「こうしたソリューションは初期費用に数十万円かかってしまうものもあり、個人経営の農家などにはハードルが高い。小規模の事業者でも始められるソリューションだ」と解説した。