ネットワーク機器も「サブスク化」?――継続的な機能追加がメリット

ネットワーク機器の領域でも、サブスクリプション型のビジネスモデルが広がりつつある。主流となりそうなのが、アップルのiTunesモデル。最新の機能をサブスク型で享受する時代にシフトしていきそうだ。

最近、様々な業界でサブスクリプション(利用期間に応じて料金を支払う方式)型ビジネスモデルを導入する動きが広がっている。例えば今年2月には、トヨタ自動車がクルマのサブスクリプションサービスを11月から開始すると発表し、大きな話題を集めた。

こうしたサブスクリプション化の動きをリードしてきたのがICT業界だ。よく知られているところでは、AWS(アマゾンウェブサービス)のクラウドサービスやマイクロソフトの「Office 365」がある。

さらに最近、これまでサブスクリプション化があまり進んでいなかったネットワーク機器の領域でも、サブスクリプションモデルが広まりつつある。一例が、クラウドWi-Fiサービスだ。初期費用不要で、月額利用料だけで利用できるサービスが各社から登場している。

サブスクは割高?とはいえ、ネットワーク機器のハードウェアそのものについて、サブスクリプションモデルが今後大きく広がるかというと、難しい面がありそうだ。スイッチや無線LANアクセスポイントといったハードウェアは個別に宅内に設置する必要があり、自動車のように“シェア”することはできない。また、中古市場もそれほど整備されていない。そのためサブスクリプション型でも、実質的には売り切り型に近いモデルにならざるを得ず、初期費用無料のクラウドWi-Fiサービスは最低利用期間が設けられているのが普通だ。途中で解約した場合、残月数に応じた解約金が必要になる。さらに、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE) アルバAruba事業統括部 技術統括本部 エンタープライズ技術部部長の池田豊氏は、「月額払いになることで月単位のコストは下がるように見えるかもしれないが、5年10年と長期間使い続けると購入した方が安くなる」と指摘する。

ただ、ネットワーク機器に「サブスクリプションモデルはそぐわない」ということではない。シスコシステムズは、スイッチ製品「Cisco Catalyst 9200」シリーズにおいて、サブスクリプションモデルを採用した。

月刊テレコミュニケーション2019年4月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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