北海道白老町、らくらくホンとバーチャル・コールセンターで高齢者を見守り

富士通は2010年8月19日、北海道の白老町役場と共同で、同社の携帯電話「らくらくホン」とコンタクトセンターを連携させたユニファイドコミュニケーションシステムを構築したと発表した。8月23日から運用を開始する。

これは、独り暮らしのお年寄りを中心にらくらくホンを60台配布し、携帯電話のボタンを1つ押すだけで、地域の支援ボランティアとの相談や緊急通報などが行えるというもの。

白老町の高齢化率は今年7月末現在で33%と、2025年の全国平均推計値である30.5%をすでに超えている。また、65歳以上の独り暮らしの在宅高齢者は約1750世帯に達しており、安否確認や買い物などの生活支援が強く求められていた。

そこで白老町は、「よやく(予約)」「そうだん(相談)」「きんきゅう(緊急)」の3つのボタンを配したらくらくホンを配布。必要なときにこの3つのボタンを押すだけで、地域の支援ボランティアへの相談や、位置情報を付与した形での119番通報が行えるシステムを富士通と共同で構築した。

らくらくホン
配布するらくらくホンの画面

同システムはバーチャル・コールセンター方式を採用しており、特定の場所にオペレーターが待機するのではなく、あらかじめ登録された地域の支援者に個人電話へ、電話は転送される。そのため、支援者は場所と時間の制約を受けずに支援することが可能なほか、コールセンターの設置に係る設備コストも不要だという。

また、らくらくホンに内蔵されている歩数計のデータは1日1回、コンタクトセンターに自動連絡。本人からの連絡がなくても、特定の場所から移動しないなどの異常が検知された場合には、GPSセンサーなどから位置情報を把握し安否確認をとるなどの見守り機能も提供するとのことだ。

白老町では今後、在宅療養支援などにも同システムを活用していく予定。また、対象範囲を高齢者以外に拡大し、地域住民の利便性向上や地域活性化などにも活かしていきたいという。

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