交通機関や商業施設などに設置されたデジタルサイネージを活用した屋外広告(Digital Out of Home:DOOH)が増大するなか、効率化が求められているのが広告配信前に行う「広告審査」業務だ。
NTTドコモはこれまで、会員基盤から作られるビッグデータを使って広告価値を推計する技術の開発などでDOOHに関わってきたが、その領域を拡大。2026年1月27日に開催したオンライン記者説明会で、ドコモ R&Dイノベーション本部 クロステック開発部の熊谷颯人氏は、審査業務の負荷を軽減して「広告配信を効率化する技術開発にも取り組んでいく」と話した。

NTTドコモ R&Dイノベーション本部 クロステック開発部の熊谷颯人氏
その端緒として今回開発したのが、AIを活用した「広告主審査業務を効率化する技術」だ。ドコモと電通グループ、博報堂が出資するLIVE BOARDに本技術を提供し、同社が運営するDOOH広告配信プラットフォームの業務で活用する。
LLMが「広告主審査」を代行、人間は確認のみ
熊谷氏によれば、広告を配信する前に実施する広告審査には「広告主審査」と「意匠審査」の2つがある。前者は、広告主が信頼できるかを運営実態などで確認審査するプロセス。後者は、公共空間に放映しても問題がないか内容かを確認審査する。

広告審査業務の課題
ドコモが今回開発した技術は、「広告主審査」の効率化を目的としたものだ。「広告主審査はガイドラインやインターネット検索等を参照する情報が多く、人手での作業に膨大な時間がかかってしまっている。さらに、 DOOH広告は今後も増えていく見込みで、その負荷は増える一方。効率化が急務ということで技術開発に着手した」(熊谷氏)

今回開発した技術の概要
効率化の流れとしては、広告主の情報を大規模言語モデル(LLM)に入力すると、LLMが審査に必要な情報をガイドラインやインターネットから自動で抽出。そのデータを基に審査を実行し、結果を出力する。審査担当者は、その出力結果を確認するだけで済むため、「広告主審査業務の3割以上が効率化される見込み」(同氏)だ。










