企業ネットワーク最前線

ドローンの“目視外飛行”で広がる産業利用――映像対応の新周波数帯が今秋から

文◎藤井宏治(IT通信ジャーナリスト) 2016.10.04

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

日本UAS産業振興協議会(JUDA)
副理事長 千田泰弘氏

ドローン通信用に新たに設定された5.7/2.4GHz帯の利用が秋にも始まる。長距離映像伝送による「目視外飛行」が可能になれば、産業分野でのドローンの活用シーンも大きく広がることになる。

 

昨年12月の改正航空法の施行でインフラ点検や物流など、産業分野でドローン(小型無人機)を活用しようとする動きに弾みがついてきた。これをさらに加速させることになりそうなのが、秋にも利用が始まるドローン通信用周波数帯の新設である。

5kmの映像伝送を可能にドローンでは、遠隔制御やデータ・画像の伝送などにさまざまな無線システムが用いられているが、最近では、通信手段に無線LANを用いて通信制御と映像伝送を同時に行う製品が多くなっている。

とはいえ、現行の無線LANでは、地上と飛行中のドローンが通信できる距離が数百m、高性能な機種でも1~2km程度にとどまるため、産業用では、使い勝手が悪かった。

新たに設定されるドローン用周波数帯では、無線LANの200mW(10mW/MHz)の5倍、1Wの出力(空中線電力)で運用できるようになり、5kmの長距離映像伝送が可能になる。

今回ドローン用周波数帯として新たに設けられるのは、5.7GHz帯(105MHz幅)と2.4GHz帯(13.5MHz幅)の2つ(図表1、2)。

 


図表1 ドローン通信用に新たに設定される周波数帯(5.7GHz帯)
図表1 ドローン通信用に新たに設定される周波数帯(5.7GHz帯)

 

図表2 ドローン通信用に新たに設定される周波数帯(2.4GHz帯)
図表2 ドローン通信用に新たに設定される周波数帯(2.4GHz帯)

 

 

これらのドローン用周波数帯は無線LANなどと帯域を共用することになるが、特に混雑が激しい2.4GHz帯では、対応機器が減っている無線LANの日本独自周波数帯にドローン用周波数帯を設定することで、安定した通信を可能にする。

5.7/2.4GHz帯で主力として使われることが想定されているのが、無線LANをベースに開発される新たな無線システムだ。このシステムはHD画質の映像素材の伝送にも対応できる54Mbp(s20MHz幅運用時)での通信が可能。10MHz幅、5MHz幅でも使えるため、帯域が13.5MHz幅しかない2.4GHz帯にも導入できる。

このほか、海外で多用されているアナログ方式の制御・映像伝送システムなどでの利用も見込まれている。

また5.7/2.4GHz帯の設定に合わせて、バックアップとして169MHz帯にも低速データ通信・遠隔制御に使えるドローン用帯域が設けられ、同じく出力1Wで利用できるようになる。

注意すべきなのが、これらの帯域を利用するには3級陸上特殊無線技士以上の資格者を配置し、無線局免許を取得する必要がある点。基本的には業務で使われる周波数帯なのだ。

総務省は、8月に関連省令の改正を行い、9月から無線局免許の申請受付を開始する考え。出力の増大に伴いドローン間や他の無線システムとの干渉が生じる可能性が増すため、7月に設立されたドローン活用の推進組織、日本無人機運行管理コンソーシアム(JUTM)が調整を行うことになっている。

続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

NTTコムウェア1906
ciena1906
intel1906

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】5Gのホントの実力
[Part1]5G新アプリも米国発に? [Part2]韓国「5G+戦略」の実像 [Part3]実証実験で見えてきた5Gの実力 [Part4]産業イーサを代替できる? さらに進化する5G

●[インタビュー] 慶應義塾大学教授 砂原秀樹氏「IoTセキュリティと情報銀行がインターネット前提社会の基盤」 ●今から始めるGDPR対策 ●メッシュWi-Fiで“超手軽”な無線LAN ●100万円から作れる!Amazon Go型店舗 ●Ansibleでソフトバンクが働き方改革 ●電気もガスもWi-SUNの時代へ ほか

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

Synology話題の「メッシュWi-Fi」を選ぶならSynology

ハード性能に加えてソフト機能も充実! ビジネスにも活用できる。

Cloudian HyperStore企業のGDPR遵守を強力サポート!
EB級ストレージを安価に自社構築

Amazon S3と同等のオブジェクトストレージを自社で構築・運用できる

NEC UNIVERGE SVシリーズクラウドとの連携を容易に実現!
新NEC UNIVERGE SVシリーズ

新端末を組み合わせることで、通話にとどまらない充実した機能

インテルキャリア網もクラウドネイティブへ
5G革命を推進するインテル

インテルが5G時代の新NW実現に向けた取組みを加速させている。

エクストリームネットワークスWi-FiとIoTをAIが自動で管理
10万人のスタジアムに搭載

「Smart OmniEdge」がネットワークエッジのトラブルから解放する!

NTTコミュニケーションズeSIMを本格提供! 垂直統合で企業のIoT活用を支えるNTT Com

国内MVNO初のリモートプロビジョニング対応eSIMサービスも提供開始

サクサキャリア網の利用で高い通話品質
スマホ2台までお試し導入も!

サクサのビジネスホンなら、スマホ内線が途切れない! 使い勝手も◎!
NTTコムウェアスマホ内線で高い通話品質を実現!

交換機開発のノウハウを活かしたNTTコムウェアのクラウドPBXは、高い安定性や優れた通話品質が特徴

日本シエナコミュニケーションズ光伝送網の能力はもっと引き出せる
目指すは“どこでも400G”の世界

シエナが1波800Gbps伝送を可能にする新世代チップを発表した。

アクセスランキング

tc1904
kaden
compass

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます