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【ワイヤレスジャパン】PTCジャパン、ビジネスモデルを変革する海外のIoT事例を紹介

文◎唐島明子(編集部) 2015.05.28

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IoTでビジネスモデルが大きく変革しようとしている――。PTCジャパンは「最新事例から学ぶIoTプラットフォームのイノベーション」と題したセミナーを開催し、海外のIoT事例を紹介した。

 

ワイヤレスジャパン2015の初日である5月27日、「最新事例から学ぶIoTプラットフォームのイノベーション」と題したセミナーが開催された。PTCジャパンのソリューション戦略企画室ディレクター・フェローである後藤智氏が登壇し、IoTプラットフォーム「ThingWorx」のコンセプトとThingWorxを採用した海外のIoT事例を紹介した。

 

PTCジャパンのソリューション戦略企画室ディレクター・フェローである後藤智氏

 

PTCジャパンは、企業がIoTの仕組みを構築する際に多大な工数をかけていることに着目。企業の迅速なビジネス変革を支援するために、従来の10倍のスピードかつノンプログラミングでIoTアプリケーションを開発できるIoTプラットフォーム「ThingWorx」を3年ほど前から提供している。

後藤氏はThingWorxを利用した4つの海外事例をビジネスモデル変革の観点から紹介した。


セミナーの様子、多くの来場者でにぎわい立ち見も出た


1つ目の事例は、放射線治療機器の販売やサービス提供を行っているスウェーデンのエレクタのものだ。放射線治療機器は米FDAによって「リスクが高いまたは新しい種類の医療機器」に分類されており、医療機器としての一般的な管理だけではなく市販前の承認や市販後の監視など厳重な対応が求められている。

そこでエレクタは、FDAや医療機関からの厳しい要求に応えるべく、IoTで放射線治療機器の遠隔監視と組込ソフトウェアの遠隔アップデートを行うことにした。

「遠隔監視はIoT革命の1丁目1番地。一番大事なポイント」(後藤氏)。IoTを利用すればその場に行かずとも機器の稼働状況が手に取るようにわかり、エレクタはFDAや医療機関へ機器の安全性をコミットできるようになる。他方、遠隔監視は交換修理サービスにも生かせる。そのため、単に機器を売るだけではなく、アフターメンテンスサービスを通じてビジネスの収益を上げることもできる。


米GEパワー&ウォーターによる発電機の保守サービスでは、IoTの活用によりビジネスモデルが「タイムベース」から「コンディションベース」に一変した

 

2つ目は、米GEパワー&ウォーターの事例だ。GEパワー&ウォーターは発電設備や水処理技術を提供するGEグループの企業で、事業の一つとして世界で5000台を超える発電機の保守保全サービスを手掛けている。

保守保全では、これまでは「タイムベースメンテナンス」が一般的だった。機器や部品が壊れていても壊れていなくても、一定期間が経過したら定期的に点検を行い、劣化している部品を取り替える。あるいは、定期点検で検知できずに部品が壊れてしまえば、壊れていることが発覚してから事後対応を行う。

しかし、GEパワー&ウォーターはIoTを利用して「コンディションベースメンテナンス」のビジネスモデルに転換したという。1台の発電機には250個以上のセンサーがついているが、それらのセンサーからおよそ30秒ごとにデータを収集し、発電機の状況を常時モニタリングする。もし部品の劣化を検知したら、そのタイミングで顧客に部品交換の提案をするのだ。故障の予兆ができるようになれば、顧客からの信頼も高まる。

「メーカーのサービスビジネスは、タイムベースからコンディションベースに移り変わっており、大きなビジネスモデルの変革が起きている」と後藤氏は述べた。

 

センサーや通信費用の低価格化、IoTアプリケーションの開発コストと時間の減少により、日本国内でも地方自治体などでのIoT活用が期待される


3つ目は伊ベンチャー企業のSmartPatchが提供するワイヤレス構造物監視システムの事例だ。建造物、橋梁、トンネル、モニュメントなどの構造物から収集したデータをグラフィカルに可視化するためのIoTプラットフォームにThingWorxが採用された。

最近、M2M/IoTが盛り上がりを見せている大きな理由として、①低価格なセンサが登場したこと、②通信費用が安くなったこと、③IoTアプリの開発コストと時間の減少があるという。これにより、大企業以外にもM2M/IoTをビジネスで利用する可能性が開けてきている。

橋梁などの土木技術者が減少している小さな地方自治体においても、IoTを活用しない手はない。日本でも国土強靭化計画として、公共物の保守保全にIoTを活用することなどが検討されていることから、この分野での新しいIoTビジネスにも期待が高まる。

 

IoTアプリケーションが自立制御する米OnFarmの事例

 

最後の事例は、米OnFarmという農業ITコンサルティング企業による農業支援アプリケーションだ。広大な面積の農地経営を家族数人で行っているような大規模農家に対して、スマートフォンやタブレットから農業に関連するデータを閲覧できるアプリケーションを提供し、彼らの農地経営をサポートする。

アプリケーションでは、土壌の水分量をグラフ化して見せたり、スプリンクラーの稼働状況をもとに機器が壊れていないかを可視化する。また、可視化以外にも、気象情報や土壌の水分情報などをもとに種蒔き、水やり、収穫のタイミングを農家に伝えたりする。さらに、先物取引指標と連動し「今、刈り取ってしまうと儲けが少なくなる」といったことも通知してくれるという。

OnFarmは、IoTアプリケーションによって農業を可視化するとともに、IoTの自立制御にもとづいた農業ビジネスコンサルティングも行い、農業をトータルで支えるビジネスを展開している。

 

PTCジャパンのブースでは定期的にライブデモを開催している

 

IoTビジネスを思いついてからシステム構築に半年、1年と時間を費やしてしまってはビジネスチャンスを逸してしまうため、短期間でIoTアプリケーションを用意する必要がある。「今、IoTビジネスをやりたい経営者の方、今すぐにIoTアプリケーションを用意しろと言われている事業部の部長やプログラマーの方にThingWorxを活用してもらいたい」と後藤氏は語る。

なお、PTCジャパンのブースでは、ThingWorxのミニセッションを会期中、定期的に開催している。わずか10分で簡単なIoTアプリケーションを開発できるライブデモを見る人で賑わっていた。

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