キーパーソンが語る

UQコム野坂社長に聞くWiMAX戦略「WiMAX 2+使い放題はUQの矜持」

聞き手◎土谷宜弘(月刊テレコミュニケーション編集長) 2015.03.25

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

UQコミュニケーションズは3月からモバイルデータ通信サービス「WiMAX 2+」の最大通信速度を220Mbpsに引き上げる。「使い放題」の料金体系の維持など、携帯電話とは一線を画すサービスを追求するUQコミュニケーションズの野坂章雄社長に、BWAの事業戦略を聞いた。


――3月のWiMAX 2+の220Mbps化で、UQコミュニケーションズのモバイルデータ通信サービスが国内最速に返り咲くことになります。


野坂 LTEの150Mbpsサービスの登場で当社の110Mbpsは最速ではなくなっていました。クラウド時代を迎え、通信速度に対するお客様のニーズが非常に高くなっています。これに応えることは競争上とても重要です。

今回の高速化はもう1つ大きな意味を持っています。同じ量のデータを短時間で送れる新技術を導入することでシステム容量を拡大できるのです。これによりお客様に快適なサービスを、安価に提供できるようになります。

――具体的に、どの程度容量が拡大されるのですか。

野坂 システム容量は、無線システムがそれぞれの電波(搬送波)を使って実現している最大通信速度の和で考えることができます。

当社では2009年に当時割り当てられた30MHz幅の周波数にWiMAXを導入し最大40Mbpsのサービスを提供してきました。加えて2013年10月に新たに割当を受けた20MHz幅にWiMAX 2+を導入し110Mbpsのサービスを提供しています。

今回、WiMAXで使っていた30MHz幅のうち20MHz幅をWiMAX 2+に切り替えて、110Mbpsのレーンを2車線にします。WiMAXは帯域が3分の1になるので通信速度は13.3Mbpsに下がりますが、全体の容量は110+110+13で233Mbpsとなり、WiMAXだけで運用していた頃の約6倍になります。


UQコミュニケーションズ 代表取締役社長 野坂章雄氏
UQコミュニケーションズ 代表取締役社長 野坂章雄氏


――220Mbpsへの高速化は2波のWiMAX 2+の電波をキャリアアグリゲーション(CA)で束ねることで実現するわけですね。

野坂 少し複雑なのですが、今回の220Mbpsのサービスには2つの方式を用いています。1つがCAで、1月30日発売のモバイルルーター「W01」(ファーウェイ製)がこれに対応します。

UQではまず2月12日に栃木県の真岡市とその周辺を2車線化し、順次全国に広げていこうと考えています。W01が220Mbpsで使えるようになるのは3月のファームウェアのバージョンアップ以降になります。

もう1つが4×4 MIMOを使う方式で、3月上旬発売予定のモバイルルーター「WX01」(NECプラットフォームズ製)が対応します。

4×4MIMOは基地局と端末に4本ずつのアンテナを実装して効率よくデータをやり取りする技術で、WiMAX 2+では20MHz幅の周波数帯1波で220Mbpsのサービスを実現できます。モバイル通信ではUQが世界で初めて4×4 MIMOを商用化することになります。

――技術的なハードルが高いのですか。

野坂 4×4MIMO方式はデバイスの開発が難しいのです。小さな筐体の中に干渉しないように4つのアンテナを配置する必要がありますし、高速フーリエ変換など、4×4MIMOの膨大な演算量を最適化する技術も必須になります。また、1チップにすることで、省電力化を図っています。端末・チップベンダーと共同でこれを実現しました。

一方で基地局側はWiMAX 2+の基地局を当初から4 本のアンテナを実装し4×4MIMOに対応できる形で整備しているのでWX01が発売されればWiMAX 2+エリアのほぼ全域で220Mbpsサービスを利用できます。

当社ではWiMAX 2+の基地局2万局を既に整備していますが、2015年3月末にはこれを2万2000局まで増やしWiMAXと同等のエリアを整備する計画です。

続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

著者プロフィール

野坂章雄(のざか・あきお)氏

1978年東京大学法学部卒業。同年国際電信電話(現KDDI)入社。KDDIアメリカ上級副社長、ブロードバンドコンシューマ事業企画本部長、中国総代表を経て2010年にUQコミュニケーションズ代表取締役社長に就任(現職)。2013年からKDDI執行役員を兼務(現職)。1956年3月29日生まれ

スペシャルトピックスPR

kccs1805
watchguard1805
scsk1805

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】NETWORK SHIFT
         DX時代の新しいネットワーク戦略とは?
●ネットワーク仮想化最前線/●AI時代のネットワーク運用/●AWSに学ぶネットワーク構築/●SD-WANの現在地/●キャリア・OTTで進むネットワークのオープン化/●ISDN&PHSの移行戦略

◆[インタビュー] OKI 坪井正志常務「社会インフラ×IoTに確信」 ◆大量接続と低遅延を両立の「次期5G NR」 ◆NTT、B2B2Xの世界展開へ

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

moconavi今いる場所がオフィスになる!
moconaviで安全なモバイルワーク

場所を問わない新しい働き方の実現には、ICT環境の整備も不可欠だ。

サンテレホンサンテレホンがICT総合展示会
ビジネス伸ばす製品群が一堂に

東京ドームシティ・プリズムホールで7月18・19日開催!

インテル5Gをエンドツーエンドでカバー
新たな価値創出を目指すインテル

インテルは強みの仮想化技術で5G時代のネットワーク構築に貢献する。

コマーチキャリア向けOSS/BSSに強み
自動化やe-ヘルスで社会課題解決

自動化やe-ヘルスで多くの実績を持つコマーチが日本市場に参入した。

ブロードメディア・テクノロジーズ小森コーポレーションが
Aryakaで日中間通信を安定化!

日系企業の中国ビジネスに立ちはだかるのが通信環境の問題だ。

IIJグローバルソリューションズ日中間ネットワークの安定運用へ
VPN規制を乗り切る解決策提供

安定的な越境通信を実現するには何が必要か?

NTTコミュニケーションズIoTビジネスの種まきから結実まで
NTT Comの「次の一手」とは

自社発行型eSIMでの新サービス提供に期待!

SAS Institute Japanデータ分析の老舗、SASが提案するIoT時代のデータ活用

IoTのはじめの一歩を踏み出す前に考えるべきポイントは?

SigfoxSigfoxが開始1年で100万回線!
いよいよ花開くIoTビジネス

LPWAの代表格「Sigfox」の最新動向と活用事例を徹底レポート!

WatchGuard Wi-Fi Cloud不正APを自動遮断するWIPS搭載!
ソーシャルWi-Fiで販促支援も

セキュアな無線LAN環境を実現できる「WatchGuard Wi-Fi Cloud」

無線LAN構築・運用のポイントをSCSKが語る

無線LANの大きなトレンドとなっている「クラウドWi-Fi」で課題解決!

ジェイピー・セキュア導入実績100万サイト以上の
国産WAF「SiteGuard」

業界最速レベルで防御機能を提供するジェイピー・セキュアのWAF製品

ライムライト・ネットワークスクラウド型WAFでWebサイトを保護

ライムライトなら、自社のCDNやDDoS対策との多層防御でオリジンサーバーを攻撃から防御できる。

Office 365ユーザは使わなきゃ損
Teamsでチームワークが劇的に!

Office 365の新ツール「Teams」を使い始める企業が続出している。

アクセスランキング

tc1807_b
wsd_iot_ngn
compass

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます