KDDIなど、Starlinkを活用した南極からの8K映像リアルタイム伝送に成功

KDDI、KDDI総合研究所、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構 国立極地研究所(以下、極地研)は2024年2月26日、南極昭和基地とKDDI総合研究所本社の間で、Starlink衛星通信回線を用いた8K映像のリアルタイム伝送の実証実験に成功したと発表した。

昭和基地周辺から8K映像を伝送する観測隊員

昭和基地周辺から8K映像を伝送する観測隊員

実証実験では、昭和基地において「VistaFinder Mx」を搭載した8K動画撮影対応スマートフォンを用いて撮影・圧縮し、衛星通信回線を通じて伝送。その映像をKDDI総合研究所に設置した受信システムで受信・伸長し、8K映像としてモニター表示するとともに、安定した映像品質を維持できることを確認した。

8K映像伝送システムの構成概念図

8K映像伝送システムの構成概念図

Starlinkは昭和基地周辺でも高速かつ低遅延なネットワークを利用できる。また、Starlinkのユーザーターミナル(アンテナ)の可搬性を活かすことで、昭和基地およびその周辺だけでなく、より広範囲での作業に活用できるようになる。そのため、南極大陸の自然観測や、昭和基地から離れた場所での観測隊員と国内担当者とのリアルタイムコミュニケーションに基づく作業効率化など、様々な利用が期待されるという。

映像品質比較(左:8K映像、右:2K映像)

映像品質比較(左:8K映像、右:2K映像)

KDDIとKDDI総合研究所は、スペースXが開発したStarlinkを活用することで、南極大陸における観測隊員の業務環境改善や、極地研による南極域の研究観測業務や通信環境の設営、教育の高度化を支援し、地球温暖化などの地球規模の課題の解決に貢献する。また、スマートフォンを活用した8K映像のリアルタイム伝送システムの有用性検証や課題の抽出・改善を行い、通信回線の速度にかかわらず世界中どこからでも利用可能とすることで、現場作業のDX化の加速や高度化など、社会インフラの保全ならびに強靭性確保に貢献していく。

極地研は、Starlinkによる広帯域低遅延の通信回線を活かし、これまで以上に高度な昭和基地観測への利用を進めると同時に、南北両極での観測のほか全球的な観測に活用し、現地隊員の負担を軽減しながら、国際的な連携観測のほか、宇宙飛翔体観測との連携の可能性を広げて行く計画だという。

また、KDDIはこの実証実験の様子を2024年2月26日から2024年2月29日にスペイン・バルセロナで開催される世界最大のモバイル関連展示会「MWC Barcelona 2024」のKDDIブースで紹介する。

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