SPECIAL TOPIC5G高度化へPTP GMCを10ギガ化 IoT/FA、電力にも活用領域を広げる

5Gモバイル通信の高性能と安定性を支える時刻同期。ナノ秒レベルの高精度を誇る、そのPTP技術が今、重要インフラを含む様々な領域で活用され始めている。これを推し進める1社がセイコーソリューションズだ。10GbE対応のPTPグランドマスタークロック(GMC)「TS-2920シリーズ」も揃え、あらゆる産業ニーズに応える。

「ローカル5Gも含めた5Gネットワークには、我々の時刻同期技術と製品が浸透している。この通信業界に加えて、金融や放送、そして電力等の社会インフラにも活用領域が広がり始めた」

マイクロ秒(μs)からナノ秒(ns)レベルの高精度な時刻同期を実現することで、モバイル網をはじめとする社会インフラの安定稼働を支えているPTP(Precision Time Protocol)技術。セイコーソリューションズ 戦略ネットワーク本部 タイミングソリューション営業部 部長の鈴木康平氏はPTPの活用領域の広がりについてこう話す。

セイコーソリューションズ 戦略ネットワーク本部 タイミングソリューション営業部 部長 鈴木康平氏

セイコーソリューションズ 戦略ネットワーク本部 タイミングソリューション営業部 部長 鈴木康平氏

背景には、放送/金融システムや電力網といった厳しい性能要件が求められるネットワークにおいてIP化が進展したことがある。従来は業界ごとシステムメーカーごとの独自技術で運用されていたそれらネットワークが、汎用的なIPネットワークへ移行。それに伴い、IP上で高精度な時刻同期を実現する「PTP技術が必要になった。従来のアナログな仕組みからIPとPTPを組み合わせた時刻同期へとシフトしていくことは世界的な潮流だ」(鈴木氏)

例えば、電力の安定供給を監視・制御する電力網の系統制御システム。この領域では今、変電設備を最適化する「デジタル変電所」に注目が集まっているが、欧米ではその系統制御を司るネットワークのIP化が進展している。「制御システムを開発・提供する複数メーカーの製品が相互接続して制御システムを構成するために、標準化されたPTP時刻同期の重要性が高まっている」と鈴木氏。北米・欧州市場では、電力網でのPTP採用が広がりつつあるという。

日本国内でも今後、この電力インフラも含めて、図表1に示すような幅広い領域でPTPによる高精度時刻同期の需要が高まると同氏は予想。セイコーソリューションズは通信業界での実績とノウハウをベースに、これら社会インフラと産業システムの安定稼働を支えていこうとしている。

図表1 高精度時刻同期の市場

図表1 高精度時刻同期の市場

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