NTT東など18社、ローカル5Gの社会実装加速に向けた共創プロジェクト

NTT東日本(以下、NTT東)など国内外の通信機器ベンダー等の18社は2023年11月6日、ローカル5Gのさらなる低廉化と利便性向上による普及・拡大を目的に、ローカル5G機器の相互接続や、ユースケース実証を行う新たな共創プロジェクトを立ち上げることに合意したと発表した。

プロジェクト参画企業一覧

プロジェクト参画企業一覧

ローカル5Gのシステムにおいて、端末の認証やネットワーク制御等を担う5Gコアと、電波等の無線制御を行う基地局(RAN)に用いられる機器は、それぞれ同一ベンダーの製品で構成されることが一般的となっており、ユースケースによってはオーバースペックな機器構成となるケースも多くある。そのため、ベンダーをまたいでローカル5G機器(5Gコア、基地局、端末)を接続することによる、顧客の求める要件や予算に応じた最適な機器構成でのネットワーク環境の実現が期待されている。一方、ベンダーをまたいだローカル5Gシステムを構成するには、機器ごとの設定パラメーターのチューニングをベンダーの垣根を越えて実施する必要があるため、導入は限定的になっているのが実情だ。

また、工場や物流倉庫等の広域なエリアでは、様々な通信要件の端末が混在して設置されるケースが多く、多様なユースケースへの対応が求められている。例えば、顧客環境において、設置機器の移動等のレイアウト変更を行った際に、各端末の通信要件を実現するには、端末の接続先基地局を変更するハンドオーバー時に必要なパラメーター等を都度調整する必要がある。そのため、顧客による煩雑なオペレーションを不要とする、自律的・自動的な機器パラメーター制御の実現について期待されている。

こうした背景を踏まえ、ローカル5Gのさらなる社会実装を進めていくことを目的に、共創プロジェクトでは各社が開発するローカル5G機器の相互接続の推進や、ユースケースに応じたローカル5G機器のパラメーターの最適化実証等を行うことで、システムの低廉化・ユーザビリティ向上を促進し、ローカル5Gの普及・拡大を目指す。

本プロジェクトでは、下記2つのテーマを皮切りに、各社共同で実証を進める。

(1)異なる通信機器ベンダーのローカル5G機器間の相互接続実証
・ローカル5Gシステムの低廉化を目指し、異なるベンダーのローカル5G機器間の接続性を確認し、接続成功パターンでの通信性能や、高精細映像伝送等のユースケースで通信品質を評価する。
・加えて、接続不可となった場合の事例を取りまとめ、相互接続における運用ノウハウを確立する。

(2)ユースケースに応じたローカル5G機器のパラメーターの最適化実証
・ユースケースの拡充と、ユースケースに応じた高品質なローカル5G環境の提供によるユーザビリティ向上を目的として、高精細なリアルタイム映像通信や、ロボット操作等の途切れては困る重要な通信等、様々な通信要件が混在する環境下において、優先制御や帯域制御といったサービス品質を制御する技術に対応した値やハンドオーバーパラメーター等の機器パラメーターの最適値を明確化する。
・加えて、RIC(RAN Intelligent Controller)の活用を視野に、工場や物流倉庫におけるレイアウト変更等で環境が変わった場合においても、自律的・自動的にパラメーター制御が行われることで、高品質なローカル5G通信を継続的に提供する仕組みの実現を目指す。

本取り組みの実証イメージ

本取り組みの実証イメージ

年内に共同実証を開始し、得られた成果を国内だけでなく海外へ発信するとともに、アプリケーションベンダー等の新たなメンバーを増やしながら、様々なユースケースの実証を進めていくとしている。

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