デル・テクノロジーズは2022年4月26日、情報通信エンジニアリング大手のエクシオグループが用いる仮想GPU対応のAI基盤を構築したと発表した。エクシオがこれまでパブリッククラウドで運用していた「安全品質AIソリューション」をプライベートクラウド基盤に移管する。
目的は、1日1万件以上ある通信工事の現場で撮影された写真の判定を効率化することだ。「安全品質AIソリューション」は、これまで人が写真を見て品質を判断していたものをAIの判定によって自動化するもの。これにより、業務の効率化と写真判定の精度を向上させる。
従来はパブリッククラウドで運用していたが、写真判定のリアルタイム性を高め、さらに、日々変化するAIモデルに対してGPU割り当ての変更を柔軟に行えるという利点を鑑みて、プライベートクラウド基盤での運用に変更したという。集約効率を高めるため、GPUパススルー方式ではなく仮想GPU方式(NVIDIA vGPU)を採用。デル・テクノロジーズのNVIDIA GPU搭載「PowerEge R740」サーバーを基盤として構築した。
今回構築したシステム構成のイメージ
プライベートクラウドへ移管後は、それまで数分以上かかっていた写真判定結果が3秒以下に表示されるようになり、数日かかっていた検査員による写真の品質判定も即座に行えるようになったという。品質確認のために再び現場に戻って写真を撮り直すといったこともなくなるなど、効率化につながった。
また、プライベートクラウド環境を活用することでGPUの使い方の自由度と信頼性も高まり、かつ、ランニングコストも大幅に抑制できたとしている。
エクシオグループでは今後、他の業務にもAIソリューションを展開する方針だ。設計業務にAIを活用して自動化することなどを検討しているという。