NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は2021年4月6日、IoTデータのセキュアなプロトコルへの変換機能や、クラウド接続に必要な設定などをネットワーク側で行うことでIoTデバイスの負荷を軽減する機能を兼ね備えたサービス「IoT Connect Gateway」の提供を開始した。
本サービスは、NTT Comのデータ利活用プラットフォーム「Smart Data Platform」を構成する機能の1つで、大量のIoTデバイスを用いたシステムの構築・運用を容易にする。
本サービスのイメージ
同社は従来からIoT/M2M通信向けのモバイルサービスを展開しており、2021年2月には、ビジネスのグローバル展開を実現するIoT向けモバイル通信サービス「IoT Connect Mobile Type S」の提供を開始した。IoT Connect Gatewayは、これらネットワークサービスと組み合わせることで、IoTシステムの構築・運用に関わる課題を解決する高付加価値なゲートウェイ機能を提供するものという。
提供する機能は次の2つで、1回線から申込が可能だ。
(1)プロトコル変換機能
IoTデータを受け取る側のクラウドサービスは一般的に、セキュリティ上の理由により、デバイスとの通信をHTTPS・MQTTSなど暗号化されたプロトコルに制限している。IoTデバイス側でこのようなプロトコルへの変換(暗号化処理)を行う場合、比較的性能の高いCPUが求められることから、デバイスが高額化するといった課題がある。
IoT Connect Gatewayはネットワーク側で暗号化処理を行うため、高い処理能力をもたないIoTデバイスでもデータ送信端末として利用することができ、セキュアな通信を実現しながら、デバイスの簡素化・低廉化によるコスト削減が可能になる。
また、IoTデバイスからIoT Connect Gatewayサービスまでの間は暗号化の必要がなく、この間は平文でデータを送信できるため、暗号化プロトコルのオーバーヘッドが発生せず、データ通信容量を抑えて通信コストを削減することも可能としている。
(2)クラウドアダプタ機能
IoTデータの蓄積にクラウドサービスを利用する場合、IoT デバイスにクラウドサービスへ接続するためのプログラムのインストールやパスワードなどの情報を設定する必要がある。また、一つひとつのIoTデバイスごとに設定が必要となるため、デバイス数が増えるほど各種設定作業を行う際の負荷が増大する。
本サービスでは、クラウド接続時(対応サービスは「Google Cloud IoT Core」「AWS IoT Core」「Azure IoT Hub」)に必要となる設定をネットワーク側で一括して実行することが可能になるため、とくに大規模なIoTシステム構築・運用における作業負荷の軽減を図ることができるという。
利用料金は、月間のデータ利用量に応じた段階制。今後、「プロトコル変換機能」の対応プロトコル、および「クラウドアダプタ機能」に対応するクラウドサービスを、顧客ニーズに応じて順次拡大する。