幕張メッセで2019年10月18日まで開かれているCEATEC 2019において、一際注目を集めていたのがNECブースの「空飛ぶクルマ」だ。ブースの正面中央に配置され、全長約3.9m、幅3.7m、高さ約1.3m、3人乗り想定の航空機体が参加者の関心を集めていた。
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会場内に展示された空飛ぶクルマの様子 |
NECは現在、試作機を開発し、同社の我孫子事業場で浮上実験に成功している。実は、同社は小惑星探査機の「はやぶさ2」で使われている制御技術など、無人で航空するための要素を既に持っているという。今後も技術検証を進めていきながら、空飛ぶクルマの交通整理や機体間・地上との通信などを支える管理基盤を構築していく方針だ。
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NECが持つ自律飛行制御を実現するための要素技術 |
空飛ぶクルマのユースケースについて、現場の説明員は「車の代わりの移動手段としてだけでなく、無人で制御して災害時に物資などを運ぶ用途での活用が期待できる」と話す。
今後について「素材の軽量化が課題になっている。(自律飛行を制御するアルゴリズムなどは)屋内ではできているが、屋外ではまだ実験を進める必要がある。ただ、屋外で飛ばすためには法規制のため特別な申請が必要で、比較的自由に飛ばせるアメリカや中国などが先行している状態だ。経産省や国交省などとも協力していければ」と解説した。