日本OpenStackユーザ会は、8月2日・3日にOpenStack専門カンファレンス「OpenStack Days Tokyo 2018」を開催する。これに先立ち、7月5日に記者説明会を開き、OpenStackの最新動向や今年の見どころを紹介した。
5月21日~24日にカナダ・バンクーバーで行われた「OpenStack Summit」を踏まえて、OpenStackの最新動向を解説したのは、日本OpenStackユーザ会会長の水野伸太郎氏だ。
日本OpenStackユーザ会会長を務める
NTTソフトウェアイノベーションセンターの水野伸太郎氏
同氏によると、今回のOpenStack Summitのテーマは「Open Infrastructure」。会場に数多く貼られていたポスターを見ても、「OpenStackより、Open Infrastructureという文字のほうが大きかった。Open Infrastructureの会議なのではと思うくらい、このキーワードが至るところに飾られていた」という。
その理由は何か。「その心は、OpenStackだけではなくて、OpenStackを取り巻くコンテナやCI/CD、エッジコンピューティング、NFV、HPCといった多様なユースケース全体でエコシステムを盛り上げていこうということ」と水野氏は説明した。
また、OpenStackファウンデーションのスポンサー企業として「テレコムキャリアやテレコムベンダー、中国の企業が増えてきている」ことを受けて、テレコム系や中国企業の発表者が多かったことも変化の1つだったという。
「Open Infrastructure」がテーマとなったOpenStack Summit Vancouver 2018
水野氏が「今回のサミットで最も大きなトピック」としたのは「Kataコンテナ」だ。
「VMとコンテナの“いいとこどり”で、軽量VMなのだがコンテナとして使える。なので、コンテナコントローラーのKubernetesから、Kataコンテナを使うことができる」
「VMのいいところは、やはりアイソレーション。コンテナは1つのカーネルの上に複数のユーザーが乗るが、Kataコンテナは小さなVMをかますことで、コンテナ間のアイソレーションをしっかりしてセキュリティを保とうという狙いだ」
Kataコンテナの概要
似たような取り組みとしてはグーグルの「gVisor」があるが、Kataコンテナのほうが「だいぶ開発は進んでいて、安定して使える」とのことだ。