「総務省の統計によれば、民間の事業所数は日本全国で570万。そのうち、従業員数が10人以下は約430万で、20人以下になると500万になる。この500万事業所がヤマハのネットワーク製品がターゲットにしているマーケットだ」
こんな言葉から始まった、SCSKとヤマハによる「ヤマハ ネットワーク製品アップデートセミナー」では、ヤマハのスイッチ製品、無線LAN製品、ルーター製品の最新情報が紹介された。
中堅・中小企業や全国展開企業の各拠点オフィスなど、比較的小規模な環境でも最近のネットワーク環境は激しい変化に晒されている。そうしたネットワーク環境を安全に保ち、容易に管理できるようにするための新しい機能が、ヤマハのネットワーク製品に加わっている。
L2スイッチは機能がさらに充実ここから、スイッチ、無線LANアクセスポイント(無線AP)、ルーターの順で、ヤマハのネットワーク製品の最新情報を確認していこう。
ヤマハのスイッチ製品「SWXシリーズ」には、3種類のL2スイッチがある。そこに新たに加わるものとして紹介されたのが、L2スイッチ「X18-P」とL3スイッチ「X18-R」だ。
X18-PとX18-Rの想定利用シーン |
まず、特定のエリアをまとめる“フロアスイッチ”としての利用が想定されているX18-Pは、8ポートの「X18-P-8」、16ポートの「X18-P-16」、24ポートの「X18-P-24」の3つある。
これらのスイッチは、同社が2015年9月から発売しているSWX2300と同様に、VLANやQoSの機能を備えている。さらに、Voice VLAN、ポートセキュリティ、Web認証といったL2スイッチ機能のほか、SSHサーバ、RMON、端末監視、LLDP(Link Layer Discovery Protocol)、パフォーマンス観測、SDカードによるファーム起動/更新などの設定・管理機能なども追加される。なお、24ポートのX18-P-24は、複数のスイッチを仮想的に1台として見せるスタック機能にも対応する。
x18-Pの機能一覧 |
L3スイッチは用途別に3種類もう1つのX18-Rは、“バックボーン”を構成するためのスイッチであり、中小企業・零細・SOHO向けで8ポートの「X18-R-8」と、中堅企業・学校・病院向けで24ポートの「X18-R-24」と48ポートの「X18-R-48」がある。3つとも、X18-Pと同様のスイッチ機能、管理・設定機能を備えながら、用途に応じてL3スイッチの機能が加わっている。
X18-Rの概要 |
中小企業・零細・SOHO向けのX18-R-8は、転送性能とスタティックルーティングがあれば十分であることから、DHCP v4とスタティックルーティングがL3の機能として加わっている。
他方、中堅企業・学校・病院では、転送性能とスタティックルーティングのほかにも、高い信頼性が求められる。そこで、24ポートと48ポートは、ともにスタック機能を搭載しているほか、ダイナミックルーティングプロトコルのRIP v1/v2、OSPF v2/v3に標準対応する。
X18-Rの機能一覧 |