――NTTグループは8月1日、セキュリティ専門会社としてNTTセキュリティを設立しました。その狙いをお聞かせください。
澤田 NTTグループはこれまでセキュリティに力を入れてきましたが、NTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)や南アフリカのディメンションデータ、米ソリューショナリーなど買収した企業も含めてグループ各社がバラバラに開発や営業に取り組んでいました。各社ともマネージド・セキュリティ・サービス(MSS)事業を強化していたことから、能力を集約するために一元化しました。
ソリューショナリーとNTTコムセキュリティの全事業、NTTコム、ディメンションデータ、NTTイノベーション・インスティテュート(NTTi3)が保有するMSSプラットフォームを新会社に統合し、効率化を図ります。
新会社はサービス開発・卸会社と位置付け、販売はディメンションデータやNTTコム、NTTデータなどグループ各社の営業力を最大限に活用します。基本的にグループ向けの販売が中心ですが、すでに社外からも要望が来ています。
一元化することで開発、コスト、営業などさまざまな面で効果が生まれると期待しています。
図表 NTTセキュリティの位置付け |
――新会社として、どのような目標を掲げていますか。
澤田 ある調査によると、MSS分野でNTTは二番手のグループに格付けされています。
「NTTとしてセキュリティサービスは優れたものを持っているが、バラバラで一つにまとまっていないことが評価を下げている」面があったようです。社内向けには、1年以内に一番手の仲間入りをし、3年後には世界でトップを目指そうと話しています。
もともと海外勢と伍していくだけのベースはすでにできあがっていますから、統合による効率化で一番手のグループに入る自信はあります。さらにそこから一歩抜け出すには、開発力を含めて能力に磨きをかけ優位に立つことが必要です。NTT研究所の協力も得て、能力を強化したいと考えています。