「データセンター内は、SDNが非常に花盛り。最近はビルや工場、電話局などでもSDNの導入が進んでいる。ところが、我々のレイヤ1という分野は、光のレーザーや受発光デバイスが必要でバーチャル化が難しく、SDN化が最も遅れている」
こう語るのは、光伝送装置ベンダーのインフィネラ・ジャパンでカントリー・マネージャを務める秋元正義氏だが、いよいよ光伝送ネットワークの領域でもSDN導入の動きが活発化していきそうだ。
光伝送装置ベンダー各社がSDNコントローラを提供し始めているからだ。インフィネラも8月31日にSDNコントローラ機能を含んだソフトウェアスイートである「Xceed Software Suite」を発表。今年第4四半期から提供を開始する。
Xceed Software Suiteの概要 |
光伝送ネットワークのSDN化のハードルを大幅に下げるSDNコントローラの提供は今回が初だが、インフィネラはこれまでからSDNに取り組んできた。SDNコントローラからの命令を、同社の光伝送装置が理解できるように通訳して伝えるネットワーク抽象化ソフトウェア「Open Transport Switch(OTS)」を以前から提供してきた。商用ネットワークでの導入実績もあり、PacnetがOTSを活用し、光伝送ネットワークのSDN化を図っている。
OTSは、Open Networking Foundation(ONF)準拠のSDNコントローラに対応するが、当然ながら、サードパーティのSDNコントローラはインフィネラの光伝送装置に最適化されているわけではない。このため、実際に導入して効果を得るためのハードルは、決して低いとはいえなかった。
しかし今回、インフィネラ自身がSDNコントローラを出すことで「ハードルが非常に下がった」(秋元氏)。