業種や規模に関係なく、自社のビジネスにIoTを活かそうと考える企業が増えている。しかし、一からシステムを開発していたのではコストや時間がかかってしまい、特に中小企業の場合、なかなか導入に踏みきれないのが実状だ。
NTTドコモが昨年12月に提供を開始した「Toami for DOCOMO」は、ドコモの3G/LTE回線を介してIoT機器やセンサから収集したデータを簡単に表示・活用できるクラウドサービスである。企業のIoT導入のハードルを下げるとあって、規模や業種を問わず幅広い企業の関心を集めている。
Toamiは、IoTシステムを構築する上で必要な機能を部品化し、企業ごとのニーズに合わせて自由に組み合わせることができる日本システムウエア(以下、NSW)のIoTクラウドプラットフォーム。NSWとドコモが共同開発したToami for DOCOMOは“ドコモ版”Toamiという位置づけだ。
ドコモ版では、いくつかの改良点が加えられている。まず、ドコモの法人ビジネス本部がToamiを販売する中で特にユーザーからの要望が多かった「データ蓄積」「ユーザー管理」「Web画面」「メール通知」「データ出力」という5つの機能をパッケージ化した。これによりサーバー側アプリの初期開発が不要で、短期間・低コストでの導入が可能となっている。
このうちWeb画面については、専門的な知識がなくても簡単な操作で画面メニューをカスタマイズできるようにしているので、システム開発者のいない企業でも容易に作成することができるという。
「Toami for DOCOMO」の画面イメージ。専門的な知識がなくても簡単な操作で画面メニューをカスタマイズできる |
これらの点から、「IoTを活用したビジネスモデルを明確に描けていない企業は意外と多いが、IoTをスモールスタートしていろいろ検証した後、本格展開するのにも適している」と法人ビジネス本部 IoTビジネス部 IoT営業推進担当部長の一矢康雄氏は説明する。
また、回線やクラウド、プラットフォーム、デバイスなどをワンストップでドコモが提供することで、導入企業は、障害発生時にしばしば問題となる原因の切り分けをドコモに一任できる点もメリットだという。