超軽量!「IoTへの組込みUTM」を狙うスウェーデン発の次世代ファイアウォール

キヤノンITソリューションズは、スウェーデンのClavister社の次世代ファイアウォールを販売する。その最大の特徴は、わずか11MBというファームウェアの小ささ。このため、CPUやメモリーのリソースが限られるIoTデバイスにも実装可能だという。また、クラウド/仮想環境向けや通常のアプライアンス製品も展開する。

キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2015年10月6日、スウェーデンの次世代ファイアウォールベンダーであるClavister社と販売代理店契約を締結したと発表した。

「『今からUTMを持ってきて、どうするの?』という話もあるだろうが、すべてのモノがネットワークにつながるIoT時代には、必ずセキュリティの問題が起こる。何らかのセキュリティ対策が必要になるが、Clavister社のソリューションはそのコアになれるものだ」

キヤノンITS 執行役員 セキュリティソリューション事業部長の近藤伸也氏はこのように述べ、Clavister社の次世代ファイアウォールを活用し、IoT向けのセキュリティソリューションを展開していく考えを明らかにした。

No Linux&No OSSの独自設計で、11MBの超軽量ファームウェア来日したClavister社 CEOのジム・カールソン氏によると、同社が設立されたのは1997年。ヨーロッパ、アフリカ、東南アジアなど、グローバルに事業を展開しており、「世界中に2万5000社以上のお客様がいる」というが、その特色は「我々のソリューションはソフトウェアベースであり、ハードウェアに依存しない」こと。

ハードウェアアプライアンスも提供するが、「インテルベースであれば、いかなるハードウェア上でも動作する」ソフトウェア製品が同社の次世代ファイアウォールの中心になっている。

さらに、キヤノンITS セキュリティソリューション事業部 セキュリティソリューション営業部長の崎山秀文氏は、Clavister社の次世代ファイアウォールには大きく3つの特長があると説明した。

Clavisterの特徴
Clavisterの特長

1つは「No Linux & No OSSの完全独自開発」である。Linuxやオープンソースソフトウェア(OSS)にまったく依存しない、独自開発のファームウェアであるため、不要な処理プロセスが存在しない。結果、ファームウェアのイメージサイズはわずか11MBと小さく、CPUやメモリーを効率よく利用できるという。さらに、LinuxやOSSの脆弱性の影響を受けることもない。

Clavisterのファームウェアの特色

2つめの特長は「ロバスト設計」だ。Clavister社は、高い信頼性が求められるテレコム向けからスタートし、エンタープライズ、SMBと製品ラインナップを広げてきた。例えば、セキュリティ検査システムとは独立して動作する死活監視システムを実装しており、セキュリティ検査システムが停止しても、自動的に再起動することで、高い可用性を実現できるという。

3つめは「次世代ファイアウォール」。軽量・高速というと、機能的には限定されていそうだが、VPNやアンチウイルス、アプリケーション制御、IPS/IDSなど、「他社の次世代ファイアウォールと同等レベルの高機能を持っている」とした。

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