日本ヒューレット・パッカード(日本HP)が2013年3月18日、SDNやBYOD対応のネットワークインフラを構築するための新製品群を発表した。
日本HP エンタープライズインフラストラクチャー事業統括 サーバー・ネットワーク製品統括本部 インダストリスタンダードサーバー・ネットワーク製品本部 本部長 宮本義敬氏、同本部 尾崎亨氏、同本部 HPネットワーク製品企画部 プロダクトマーケティングマネージャー 伊佐治俊介氏 |
まずは、OpenFlow対応のギガビットL3スイッチ「HP2920-24G」と「HP2920-48G」である。大きな特徴は2つで、1つはその価格である。24ポートモデルのHP2920-24Gの参考価格は24万9900円(税込)。「これまで40万円以上かかっていたOpenFlow対応スイッチを20万円台で実現した」(宮本義敬氏)、「非常に安くOpenFlowを始められる」(尾崎亨氏)などとアピールした。
HP2920-24G/48Gの概要 |
もう1つの特徴は、最大4ポートの10GBASE-Tを増設可能な点である。尾崎氏は従来の10Gの課題として「光ケーブルは非常にコストが高い。このコストの問題を解決するため、銅線のDACケーブルの10G SFP+もあるが、こちらは短い距離にしか対応できず、相性の問題も少なからずあった」と指摘したうえで、「RJ-45ケーブルを利用する10GBASE-Tでは非常に安価に10G接続を実現できる」と説明した。ケーブルコストが約3万円の10G SFP+と比べて、10GBASE-Tは約1万円と66%もリーズナブルだという。HPでは今後、積極的に10GBASE-Tを採用していく方針とのことだ。
10GBASE-Tを増設可能で、安価に10G接続を実現できるという |
小規模ネットワークでもネットワークを統合管理
2つめの新製品は、ネットワーク統合管理ソフトウェアの最新版「HP Intelligent Management Center v5.2(HP IMC 5.2)」である。IMCの特徴は「物理ネットワークと仮想ネットワーク、有線LANと無線LAN、他社製品を含む6000以上のネットワーク製品を一元的に統合管理することが可能」(尾崎氏)なところだが、v5.2では小規模ネットワーク向けのラインナップ追加が主なトピックである。
これまで100デバイス管理からの「Standard」、200デバイス管理からの「Enterprise」の2つを用意していたが、さらに50デバイス管理からの「Basic」を追加した。参考価格は29万4000円。また、無線LAN機器も統合管理できる「Basic WLAN」は74万4000円となる。
3つめは、迅速にBYOD対応のインフラを構築できるという仮想アプライアンス製品「HP IMC Smart Connect」だ。IMCのStarndardエディションやIMC User Access Manager、SQLデータベースなどがパッケージになっており、既存インフラに追加することで、ユーザー端末の(1)アクセス制御・認証、(2)プロビジョニング、(3)モニタリングが包括的に可能になるという。参考価格は155万4000円で、無線LAN対応だと176万4000円となる。
また、伊佐治俊介氏は、SDNを利用したBYODソリューションや有線/無線LANの統合スイッチなども今後投入していく計画であることを明かした。
「今年はHPネットワークが変わる年」
宮本氏によると、日本HPのネットワーク事業は「四半期ごとに120%を超える成長」をしており、「今年はHPネットワークが変わる年だと手応えを感じている」という。
国内でのHPネットワーク事業の売上動向 |
また、SDNの主戦場であるデータセンターネットワークに関するガートナーのマジッククアドラントを紹介。「非常に興味深いのはリーダーが不在となっていることだ。HPはビジョンはあるが、実行力はまだと評価されている」としたうえで、「ぜひHPがリーダーになっていきたい」と抱負を語った。
ガートナーのデータセンターネットワークに関するマジッククアドラント |