“技適見直し”の骨子案公表 認証簡素化と技適マーク表示見直しへ

総務省の作業班で今年8月から検討が進められてきた“技適見直し”に関する報告書骨子案がまとまった。無線設備のソフトウェアアップデートへの対応をはじめ、Open RAN(O-RAN)・vRANへの対応、製品本体への技適マーク表示が困難な場合の表示方法の検討を柱としている。

総務省の情報通信審議会 電波有効利用委員会 無線設備の認証の在り方検討作業班は2025年12月23日、第5回会合を開催した。今年8月以来作業班で交わされてきた無線設備の認証制度(いわゆる技適制度)見直しの議論に基づき、事務局が報告書骨子案を公表した。

ソフト更新時の認証を簡素化 Open RAN・vRAN普及にも対応

骨子案では、無線機能を変更するソフトウェアアップデートへの対応が大きな論点として示された。現行制度では、ソフト更新のたびに再認証や技適マークの貼り替えが必要となり、製品回収を伴うケースもある。これに対し、認証番号にソフト名やバージョン情報を紐づけて管理することで、認証番号を変更せずにソフト更新を可能とする新たな仕組みを導入する方針が示された。意図しない電波法違反を回避するため、この仕組みが適用可能な無線設備の種別などの要件をあらかじめ規定しておくことが適当とした。利用者はデータベースを通じて、適合状況を確認できるようにする。

無線機能を変更するソフトウェアアップデートに対応した新たな認証の考え方を示す図。認証番号にソフト名やバージョン情報をひも付け、製品回収を伴わずに適合状況を確認できる仕組みを示している。

ソフトウェアアップデートによって無線機能を変更する場合でも同一認証番号の使用が可能に

携帯電話基地局分野で普及が進むOpen RAN(O-RAN)やvRANへの対応も盛り込んだ。Open RAN・vRANでは無線部(RU:Radio Unit)、集中装置(CU:Centralized Unit)、分散装置(DU:Distributed Unit)の組み合わせが多様化するが、骨子案では、汎用サーバの型番管理を認証対象外とすることや、ソフトウェアのバージョン情報を認証結果として確認できるようにすることに加え、RU単位で同一認証番号を認める仕組みを検討するとした。これにより、組み合わせごとに必要となっていた膨大な再認証を避け、事業者やメーカーの負担軽減を図る。

Open RAN/vRANにおける認証簡素化のイメージ図。汎用サーバを認証対象外とし、ソフトウェアのバージョン管理を行いながら、RU単位で同一認証番号を認める仕組みを示している。

Open RAN・vRANの認証を簡素化

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