キヤノンITSのIDaaS「ID Entrance」がハイブリッド環境での認証を強化

キヤノンITソリューションズは2025年12月22日、クラウド型統合ID管理サービス(IDaaS)「ID Entrance」においてフォームベース認証および統合Windows認証機能の提供を開始した。

ID Entranceは、ID管理、シングルサインオン(SSO)、アクセス制御などをクラウド上で一元的に提供するIDaaS。230以上のクラウドサービスとの連携実績を持ち、多要素認証や認証ポリシー機能を備えることで、企業の認証・認可基盤としての利用が進んでいるという。

クラウドサービスの利用拡大やゼロトラストへの移行を背景に、IDaaSは企業ITにおける中核的な基盤となりつつある一方で、国内企業ではオンプレミスの業務システムやレガシーアプリケーションが依然として利用されており、クラウドとオンプレミスが混在するハイブリッド環境の管理が課題となっている。

今回追加されるフォームベース認証は、アプリケーションのログイン画面に対してユーザー名やパスワードを自動入力する方式で、従来SSOが困難だったレガシーアプリケーションとの認証連携を可能にする。これにより、クラウドサービスと既存システムをまたいだ認証の統合が容易になる。

ID Entranceを介してユーザー認証を行い、リバースプロキシサーバー経由で、ID・パスワードを代行入力するフォームベース認証によりクラウドサービス上のアプリケーションへログインする仕組みを示した図。

フォームベース認証のイメージ

また、統合Windows認証は、オンプレミスのActive Directory(AD)と連携し、Windowsログオン情報を用いてSSOを実現する仕組み。ユーザーが一度Windowsにログインすれば、ID Entranceおよび連携するクラウドサービスへの再認証が不要となり、利便性と運用効率の向上が期待される。

Active DirectoryとID Entranceを連携し、ADのユーザー情報を同期した上で、Windowsログオン後は再認証なしにID Entranceへログインし、各クラウドサービスへシングルサインオンする流れを示した図。

統合Windows認証のイメージ

同社は、これらの機能拡張によりハイブリッド環境におけるユーザー認証の一元化を進め、企業のガバナンス強化やセキュリティ運用の効率化につなげるとしている。今後も連携可能なクラウドサービスの拡充を進めるとともに、ID管理業務の負荷軽減とセキュリティ強化を図る方針だ。

価格は、基本ライセンスが1IDあたり月額150円、AD連携が1IDあたり月額100円。クライアント証明書も1デバイスあたり200円で提供する(価格はいずれも税別)。初期費用は不要。

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