
NTT西日本 VOICENCEカンパニー カンパニー長/CEO 花城高志氏
NTT西日本は2025年10月27日、声の知的財産権を保護しながらAI音声の活用を促進する新プラットフォーム「VOICENCE」に関する記者説明会を開催した。
VOICENCEは、パブリックブロックチェーンと声・AIモデル・AIコンテンツの関係を記録し、声の生成過程を追跡可能な技術を活用することで、声が本人のものであること、正しく生成・利用されていることを技術的に証明できるプラットフォームだ。
NTT西日本 VOICENCEカンパニー CEOの花城高志氏は、生成AIが普及する中、「誰もが声をつくれる時代。その信頼が、試されている」と声の無断複製が社会問題化している現状を指摘。「本物の声から生まれた本物のAI」による声のIPエコノミーを創造すると説明した。

NTT西日本 VOICENCEのテクノロジー
VOICENCEの技術的な柱は、「信頼を設計するトラスト技術」と「表現を進化させる音声処理技術」の2つだという。
まずトラスト技術では、本人が許諾しているかを示す「出所の証明」、どのように生成されたかを示す「トレーサビリティの証明」、どのような用途で使えるかを示す「用途の証明」の3つを提供する。また、音声処理技術については、抑揚のつけ方や声の印象を複数パターンから選択できる音声印象制御技術と、同じ声質を保ったまま複数言語で音声を生成できる多言語合成技術が特徴だという。
説明会には俳優の別所哲也氏、声優の春日望氏、バーチャルタレントのKizunaAIがパートナーとして参加。ワタナベエンターテインメント顧問の中井秀範氏、NTT社会情報研究所の荒岡草馬氏を交えたセッションでは、声の権利保護に関する法整備の遅れなどの問題が議論された。
同社はVOICENCEをブランドコミュニケーション、トイ・ホビー、ツーリズム、映像配信など多様な領域で展開し、2027年度に売上10億円、2029年度に100億円を目指す。将来的にはNTTグループで1000億円規模のビジネスに育成したいという。









