ソフトバンクは2012年10月31日、今年度第2四半期決算を発表した。上期(4~9月)の連結決算は、売上高が前年同期比3.3%増の1兆5861億円、営業利益が同7.9%増の4027億円と増収増益だった。
ソフトバンクの孫正義社長 |
iPhone 5をはじめとするスマートフォンの販売が順調で主力のモバイル事業が好調を維持したことが寄与し、売上高は3期連続、営業利益は7期連続で過去最高を記録した。通期の業績予想について孫正義社長は「営業利益は7000億円を確実に上回りそうだ」との見通しを語った。
決算説明会では、国内事業の状況に関する説明の中で、ソフトバンク版iPhone 5に対する「2つの誤解」と題したスライドも紹介された。
1つは、au版はLTE接続時の連続待受時間が約260時間であるのに対し、ソフトバンク版は160時間で電池の減りが早いというもの。これに対し、ソフトバンクでは10月19日以降、LTE待受時のパケット通信の接続状態を最適化したことで、au版より長持ちするようになったという。
au版iPhone 5に対する優位性を強調 |
また、ソフトバンクのLTE基地局はオムニセル型でカバーエリアが狭く、同じ基地局数でもつながりにくいとする指摘には、LTE基地局の97%がセクター型であり、オム二セル型は3%にすぎないと反論した。
ところで、ソフトバンクが米スプリント・ネクステルの買収を発表して以降、ユーザーの間からは「買収のために電波改善が後回しになるのでは」といった声が聞かれるという。
孫社長は、900MHz帯の基地局を申請計画を前倒しして展開しており、設備投資額も今年度は従来の6124億円から7000億円に、来年度も4500億円から5500億円にそれぞれ上積みすることを明らかにし、「米国進出によって日本を犠牲にすることはしない」と語った。
今年度と来年度は設備投資を上積みする |
一方、イー・アクセスについては来年2月に完全子会社化する予定だったが、孫社長は「持ち株比率についてはまだ何も決めていないが、複数の案がありうる。いったんは100%の傘下におさめることに変更はないが、その後どういう資本構成にするかメリット、デメリットを含めて検討している」と、出資比率を引き下げる方向で検討していることを認めた。