Zoomは米国時間の2025年9月17日、年次イベント「Zoomtopia」を開催し、エージェント型AI「AI Companion」をアップグレードした「Zoom AI Companion 3.0」を発表した。
イベントに先立って行われたプレスブリーフィングで、米Zoomでプロダクトマーケティングの責任者を務めるレオ・ボールトン(Leo Boulton)氏は、AI Companionは「Uncover(発見)」「Optimize(最適化)」「Uplevel(高度化)」の3つの柱によって「あらゆる会話を行動へと変換する」と述べた。
最初の柱「Uncover(発見)」は会話のコンテキストを広げる機能群だ。その1つが、AI Companionに実装された会議メモを自動生成する「Note-taking」機能。これはZoom MeetingsやZoom Phone、また対面会議に対応するが、特に注目されるのはZoom以外の競合アプリでも使用可能な点だ。9月中にはMicrosoft TeamsとGoogle Meetへの対応を開始し、Cisco Webexにも後日対応する予定。
また、SlackやTeamsとのネイティブ統合も発表された。SlackやTeamsからAI Companionを呼び出せるようになる。まずは10月からSlackが対応する。これにより、ユーザーは利用する会議・メッセージングアプリを問わず、Zoom AIによる要約や要点抽出を活用できる。
さらにServiceNowとは、エージェント同士の「Agent2Agent(A2A)」と呼ぶ統合を12月に開始する予定。AI CompanionとServiceNowの「Now Assist」エージェントが連携し、顧客との会話の中でインシデント作成やナレッジ検索が可能になるということだ。
Zoom AI CompanionはWebブラウザからでも利用できる
こうしたアプリの壁を越えた連携の背景には、ユーザーからの「AI Companionを既存の作業環境に持ち込みたい」という声の存在があるという。このような声に応え、Zoomは開発者向けにSDKやAPIを提供し、独自の機能統合を可能にする環境も用意する。