米国の半導体ベンダー・Qorvo(コルボ)の日本法人は2025年9月4日、事業戦略を説明するメディア報告会を開催した。
Qorvoはナスダック上場企業で、過去12カ月の売上高は37億ドル、年間出荷デバイス数は約8億に達する。注力分野としてコネクティビティ、電動化、AI・データ利活用、モビリティを掲げ、自動車、スマートホーム、スマート工場向けの半導体ソリューションに強みを持つ。
広がるUWBユースケース Wi-Fiアクセスポイントにも搭載
同社が特に注力するのがUWB(Ultra Wideband)だ。自動車のデジタルキーに採用されるほか、iPhoneやサムスン、グーグルのスマートフォンに搭載され、タグ型デバイスとの連携による忘れ物検知が代表的なユースケースである。
Qorvo Japan カントリーマネージャーの大久保喜司氏
日本法人カントリーマネージャーの大久保喜司氏は、UWBがスマートフォンに搭載されたことで「ハンズフリーアクセスのエコシステムが拡大した」と語った。従来Bluetooth Low Energy(BLE)が使われてきたデジタルキーがUWBに置き換わりつつあり、数センチ単位の測距性能によりリレーアタック盗難を防げると説明した。また、スマートロック規格「Aliro」がUWBに対応し、スマートホームにおける非接触開錠ニーズにも応えられるという。
法人向けWi-FiアクセスポイントへのUWB搭載も進んでいる。シスコシステムズやジュニパーネットワークスの法人向けWi-Fi 7対応アクセスポイントに採用され、設置場所の決定や、屋内位置トラッキング、資産管理への活用が期待されている。