KDDIは2025年8月28日に記者説明会を開催し、スマホと衛星の直接通信サービス「au Starlink Direct」において、データ通信サービスを提供開始したと発表した。
au Starlink Directは、スマホとStarlink衛星が直接つながり、空が見える場所なら圏外エリアでも通信できるサービス。取締役執行役員専務 パーソナル事業本部長の竹澤浩氏によれば、au Starlink Directの接続数は190万人を突破した(8月26日時点)。
これまでのau Starlink Directでは、メッセージ送受信など一部の通信に限られていたが、今後は圏外エリアで特定アプリを利用できるようになる。具体的には、GoogleマップやX(旧Twitter)、ウェザーニュース、スマートニュースなど、計19種類がラインナップされている。
au Starlink Direct対応アプリ一覧
パーソナル事業本部 マーケティング本部長の手塚嘉一郎氏は、「地図アプリが使えることで、不慣れな土地で圏外エリアに入ってしまったとしても、ルート検索ができる」「Xによって、その場の感動体験をリアルタイムに発信可能だ」とアピールした。
(左から)KDDI 取締役執行役員専務 パーソナル事業本部長 竹澤浩氏、パーソナル事業本部 マーケティング本部長 手塚嘉一郎氏
登山向けアプリ「YAMAP」もau Starlink Directに対応
これらに加え、登山向けアプリ「YAMAP」もau Starlink Directに対応。説明会には、YAMAPを開発するヤマップ 代表取締役CEOの春山慶彦氏も登壇した。
YAMAPの特徴の1つは「オフライン地図機能」で、事前に地図をダウンロードしておけば、モバイル網の電波が届きにくい山間部でも、スマホのGPS機能と組み合わせて現在地を確認できる。さらにau Starlink Directに対応したことで、事前に準備していなかった地図もモバイル圏外でダウンロード可能になった。
また、YAMAPは、登山中の位置情報を家族に定期的に自動送信する「みまもり機能」も有するが、モバイル圏外にいても位置情報を伝えられるようになった。「もしもの時でも、いち早く家族や友人、警察に連絡できる。位置情報をピンポイントで伝えられるのも画期的だ」と春山氏は語った。
ヤマップ 代表取締役CEO 春山慶彦氏
KDDIは今後、au Starlink Direct対応アプリ開発者向けの専用サポートサイトも開設予定で、対応アプリのさらなる拡充を図っていく考えだ。なお、現在の対応機種はGoogle Pixel 10/10 Pro/10 Pro XL/10 Pro Fold、Galaxy Z Fold7/Flip7の6機種である。
衛星データ通信対応端末
au以外のユーザー向けにも、月額1650円(税込、以下同)でau Starlink Directを利用できる「au Starlink Direct専用プラン+」を9月1日より提供開始する。加入当月から3カ月無料になるキャンペーンも実施予定だ。