「10/40GbEの先駆者であるForce10のテクノロジを初めてデルの中に統合することができた、非常に大きなマイルストーン」(デル エンタープライズ・ソリューションズ・オーガニゼーション(ESO) APJネットワーキング戦略担当 草薙伸氏)。
デルは2012年7月26日、ブレードサーバーシステム用スイッチ「Dell Force10 MXL 10/40GbE」を発表した。同社のブレードシャーシ「Dell PowerEdge M1000e」向けのブレードスイッチである新製品は、冒頭に紹介したコメントの通り、デルが昨年買収したForce10 Networksの技術がベースとなっており、内部ポートとして32の10GbEポートを備えるほか、アップリンク側に40GbEを搭載できる。また、FCoE/DCBもサポートする。
デルのブレードシャーシ「Dell PowerEdge M1000e」の背面に装着されたブレードスイッチ「Dell Force10 MXL 10/40GbE」 |
サーバー仮想化やビッグデータなどのトレンドを背景に、最近はサーバー間のいわゆる“東西トラフィック”が増加傾向にあるが、「シャーシ内スイッチがない場合、トラフィックはいったんToRスイッチに出てから戻ってくるが、シャーシ内スイッチがあるとすべてのサーバー間通信をローカルで処理できる」と、草薙氏はシャーシ内スイッチの有用性を説明。
Dell Force10 MXL 10/40GbEの導入メリット |
さらに10GbE対応のNICと組み合わせることでエンド・トゥ・エンドの10GbEソリューションを実現できること、40GbEによりToRスイッチ間のケーブリングを簡素化できることなどをアピールした。
Dell Force10 MXL 10/40GbEの価格は109万3399円(税別)~で、同日から販売を開始している。
OpenFlow対応製品も今後リリース予定
記者会見では、米本社でグローバル・ネットワーキング・セールス担当バイスプレジデントを務めるアームガン・アーマッド氏によるデルのネットワーク戦略に関する説明も行われた。
同氏は、仮想化というコンピューティングの第3の波がやってきた今、「『新しいネットワークが必要になる』という声は顧客からも聞こえてくる。そこで、デルにはないケイパビリティを補完するための積極的な買収と自社努力を続けてきた」と説明。そのうえで「現在ではフルラインナップのプラットフォームを提供できるようになった」と語った。
積極的な買収などによりポートフォリオ拡大を図ってきたデル |
また、デルは仮想化時代の新しいネットワークの姿として「VNA(仮想ネットワークアーキテクチャ)」というコンセプトを掲げており、3階層ではなく2または1階層、低電力/省スペース、オープン性などが特徴になっているという。
「VNA」の概要 |
このほか、アーマッド氏は記者から質問に答える形で、SDN/OpenFlowへの取り組みについても言及。「もちろんOpenFlowやSDNは、VNA戦略の一部となっている。OpenFlowに対応した製品を今後リリースする予定にしているほか、Big Switch Networksとはすでに協業関係にある」とのことだ。