「ワイヤレスジャパン×WTP 2025」のNTTドコモブースでは、2030年頃に商用化が期待されている「6G」に関する展示が数多く見られた。
同社は、「Network for AI」(AIのためのネットワーク)を6Gの重要要素の1つとして位置づけ、AI・ロボット等のエキスパートや多様なパートナーとのコラボレーションによって6Gのユースケース・技術検討を行うプロジェクト「6G Harmonized Intelligence」を推進している。
そのユースケースの1つがAIロボットで、ワイヤレスジャパン×WTP 2025では、アスラテックの「ハーモナイズドセンサレスロボット」、落合陽一氏が代表取締役を務めるピクシーダストテクノロジーズ(PxDT)が開発する「コンポーザーとグルーバー」、ユカイ工学が提案する「DENDEN」という3つのAIロボットを展示している。
内部カメラ等が不要な「センサレスロボット」
1つめのハーモナイズドセンサレスロボットは、ロボット内の計算処理能力を最小化し、外部のセンサーやカメラによって制御できるロボットだ。これにより、ロボット設計における形状や素材の自由度が高まり、開発コストも削減できる。
NTTドコモのブースでは、横須賀市と共同開発したバルーン型センサレスロボット「スカリン」を展示。人のジェスチャーを認識し、それに応じた反応をスカリンが返すというデモが行われている。
バルーン型センサレスロボット「スカリン」
落合陽一氏が手掛けるAIロボットも展示
2つめのコンポーザーとグルーバーは、「AI・ロボットと人が協働するための最適なインターフェース」をコンセプトに開発された。スケッチ型のユーザーインターフェイスであるコンポーザーにテキストや図表を書き込んだり、声で説明したりすると、その内容をAIが認識し、関連する知識をリアルタイムに提示してくれる。
一方、グルーバーは猫のような身体を持ったコンパニオンロボットで、自身が身体を動かしたり、人とのふれあい等を通じて、新たな発想を引き出す役割を果たす。
コンポーザーとグルーバーのユースケースの1つとして、山間部でのフィールド調査が挙げられる。例えば、現地で発見した植物のイラストをコンポーザーに描き込むと、コンポーザーが類似種の情報を提供してくれたり、グルーバーが人間の代わりに植物を採取してくれるといった具合だ。
人間とAI・ロボットとのインタラクションを実現する「コンポーザーとグルーバー」
人の少ないエリアで自律的に生息
3つめのDENDENは、人の少ない場所でも自律的に動作するロボットである。NTN(非地上系ネットワーク)との連携により、モバイル網の電波が入りにくいエリアでも稼働する。
同ブースでは、カメラを搭載したDENDENを展示しており、人が近づくとDENDENが自動で写真を撮影してくれるデモも実施中だ。