グローバル化が進行していくなか、日本企業はどう戦っていけばいいのか――。場所、時差、言語、文化など、グローバル化の前には様々な壁が立ちはだかるが、シスコシステムズの石原洋介氏は5月16日に開催された「UCサミット2012」で満員の聴衆にこう呼びかけた。
「これらの壁をできるだけ取り去る“働く空間”を提供することで、シスコは皆様のお手伝いをしたい。その柱となるのが“グローバルコラボレーション環境”の構築だ。これにより、ワールドワイドで共同のアウトプットを出せる働き方を目指していこう」
いつでもどこでも共同でアウトプット(成果)を出せるワークスタイルを実現するグローバルコラボレーション環境 |
講演ではこのグローバルコラボレーションの実践例を紹介するデモが多数披露されたが、その前に石原氏が改めて振り返ったのは、日本企業のグローバル化が避けられない理由である。
シスコシステムズ コラボレーション事業 エバンジェリスト 石原洋介氏 |
世界では1秒に5人の赤ちゃんが誕生、対して日本は……
石原氏はまず「世界の人口は昨年70億人を超えた。その半分は25歳以下のジェネレーションである。また、1秒間に5人が生まれており、そのうち半数は中国とインドで誕生している」と説明。
そのうえで、「日本の政府や企業はもちろん様々な努力をしているが、少子化には内需縮小という側面がある。一方、グローバル化には市場が広がる、知識が広がるといった良い面がある」と、人口減社会に突入した日本にとってグローバル化への対応がますます重要になるとした。
世界人口は今後も拡大していくのに対し、日本は人口減社会に突入した |
ただ、こうした現実の中でも、日本国内でのビジネスに特化していくことを決断した企業は少なくないだろう。しかし、それでもグローバル化とは無縁ではいられない。「海外の非常に強力な競争相手がいきなり日本に参入してきてしまうという側面もグローバル化にはある」(石原氏)からだ。
つまり、あらゆる日本企業が今、グローバル化への対応を迫られているわけだが、そこで必要となるのがグローバルコラボレーション環境――「全世界に散らばるいろいろな方たちの閃きを、お金を産む製品やサービスへと変換していく組織モデルの基盤となるネットワーク」である。