「音声通話のようなコミュニケーションへの新たな投資を企業はまだ躊躇している。新しいテクノロジをどのように導入すべきか、その方針を決められずにいるというのが今日現在の企業ネットワークの状況だ」
では悩める企業は、これからのコミュニケーションインフラをどう構築していけばいいのか。その指針を示したのが、ガートナー ジャパンの池田武史氏による「UCサミット2012」の基調講演だ。
ガートナー ジャパン リサーチ部門 ネットワーク担当 リサーチ ディレクター 池田武史氏 |
企業ネットワークに「第四の波」
池田氏によると、企業ネットワークは今後、「ハイパーコンバージェンス・ネットワーク」へと進化していくという。企業ネットワークにとって「第四の波」となるハイパーコンバージェンス・ネットワークは、「モバイルやクラウドの利用を前提とした、動的な変化に対応するネットワーク」というもの。その5つある特徴のうち、実に2つがコミュニケーションに密接に関連したものとなっている。
およそ10年ごとに大きな変革期を迎えてきた企業ネットワークにとって「第四の波」となる「ハイパーコンバージェンス・ネットワーク」 |
特徴の1つめは「ワイヤレス化」だ。「ワイヤレス化の一番のメリットは、作業効果を最大限に発揮できる時と場所を提供できるようになること。コミュニケーションにおいても、これまで時間や場所に拘束されて上手く情報共有できていなかったのが、ワイヤレス化でかなりできるようになる」。