チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは2012年3月16日、2012年度の事業戦略説明会を開催した。
会見ではまず代表取締役社長の藤岡健氏が、好調だった前年度を振り返った。同社の2011年度(2011年1月~12月)のグローバルでの売上は、前年度比14%増の12億4700万ドル。さらに日本では29%増とグローバルを大きく上回る成長を遂げた。
チェック・ポイントの2011年度の業績概要 |
藤岡氏によると、好調の要因は大きく3つあるという。1つは「金融、通信、官公庁系のビジネスのボリュームが顕著に伸びていること」。2つめは標的型攻撃(APT:Advanced Persistent Threat)による被害拡大などを背景に、IPSなどの「Threat Prevention(脅威防止)ビジネス」が躍進していること。そして3つめは、昨年秋に投入した新アプライアンスによるリプレースの促進だという。
例えば、Threat Preventionビジネスは2009年度と比べて約5.5倍、2010年度と比べて約3.1倍にも拡大した。また、アプライアンスの出荷台数も前年度の倍になったそうだ。
IPSとSMB向けのマネージドサービスも提供予定
このように好調なセールスを前年度に記録したチェック・ポイントであるが、1月から始まった2012年度でもグローバルは20%増、日本は28%増と引き続き高い成長を目指していく考え。
そのうえで、フォーカスすることの1つがマルチレイヤセキュリティの推進だ。
チェック・ポイントの2012年度のキーワードの1つは「マルチレイヤセキュリティ」 |
同社システム・エンジニアリング本部 本部長の安藤正之氏は、現在のセキュリティ環境について「いろいろな脆弱点が存在しており、攻撃者は攻撃するポイントに困らない。単一の対策で守るのは難しく、マルチレイヤのセキュリティが必要である」と説明。
Software Bladeアーキテクチャを特徴とするチェック・ポイントのセキュリティソリューションでは、1つのアプライアンスで複数のセキュリティ対策を統合的に提供可能だ。そこで標的型攻撃対策として有効なIPS、アンチウィルス、アンチボットなどの追加導入による、二重、三重の多層防御を訴求していくという。なお、アンチボットのSoftware Bladeはもうじき提供が始まる予定だ。
IPS、アンチウィルス、アンチボットなどにより、標的型攻撃から多層防御 |
また、パートナー経由でのマネージドサービスについても、「今年の早い段階での提供を考えている」(藤岡氏)とのことだ。1つはIPSのマネージドサービス、もう1つはSMB向けのマネージドサービスである。
このほか、販売支援活動の一環として、無料のセキュリティリスク分析サービス「3D Security分析レポート」の提供も同日から開始した。
無料のセキュリティリスク分析サービス「3D Security分析レポート」の提供を通じて、Software Bladeの販売をさらに加速させていきたい考え |