サイレックス・テクノロジーは2024年11月26日、最新のWi-Fi 7(IEEE 802.11be)規格に対応した産業向け組込み無線LANモジュール「SX-PCEBE」と、アクセスポイント用モジュール「SX-PCEBE-AP」を発表した。価格はオープンで、SX-PCEBEは2025年3月、SX-PCEBE-APは同4月の販売開始を予定している。
最新規格Wi-Fi 7対応の組込み無線LANモジュール
両モジュールの特徴は次の通りだ。
SX-PCEBE-APは高出力設計により、より遠くまで電波が届くよう工夫されている。障害物のない理想環境では、同社従来品と比べて、約2倍の通信距離を実現。例えば、ウェアラブルカメラと接続するアクセスポイントにSX-PCEBE-APを搭載すれば、作業員がアクセスポイントから離れた場所でも安定した通信が可能という。
また、サイレックスの無線LANドライバは、NXP社製Layerscapeプロセッサとの動作確認が完了しており、効率的な移植作業をサポートできる。
SX-PCEBEとSX-PCEBE-APは同じ機器に搭載し、同時に使用することが可能だ。通常、複数の無線LANモジュールを同時に使用すると電波干渉が生じるが、サイレックスはこれを低減し、安定した通信を実現する仕組み(特許出願中)も提案できる。この技術は変化する電波環境に追従し、車両など移動する設備での無線化にも効果を発揮するという。
SX-PCEBEとSX-PCEBE-APで、産業・医療分野の様々な機器を無線化できる
SX-PCEBEはQualcomm製QCC2076チップセットを搭載し、2.4GHz、5GHz、6GHz帯に対応。2.4GHz×2ストリームと5GHz×2ストリームまたは6GHz×2ストリームの同時通信が可能だ。
SX-PCEBE-APはQualcomm製QCN9274-1チップセットを搭載し、2.4GHz、5GHz帯に対応。2.4GHz×2ストリームと5GHz×2ストリームの同時通信が可能だ。