スマホでタクシー産業を活性化――日本交通と日本マイクロソフトが「全国タクシー配車」サービスで協業

都内最大手のタクシー会社である日本交通と日本マイクロソフトが協業し、「全国タクシー配車」サービスを開始した。スマートフォンにダウンロードしたアプリを使って、全国で今いる場所へ、すぐにタクシーを呼ぶことが可能だ。

「タクシー運転手の賃金は一般の産業平均よりも250万円くらい低い。来年、タクシーは生誕100周年を迎えるが、何とかタクシー業界を盛り立てたい」(日本交通 代表取締役社長の川鍋一朗氏)。2011年12月13日、クラウドとスマートフォンの活用により、日本初だという「全国タクシー配車」サービスが始まった。提供するのは、日本交通と日本マイクロソフト、そして日本交通の呼びかけで集まった全国13グループのタクシー事業者だ。

この全国タクシー配車サービスは、スマートフォンにインストールしたアプリを利用してタクシーを呼べるサービスである。アプリを起動し、GPSで現在地情報を取得。GPSによる現在地に誤差があった場合にはタッチ操作で修正を行い、「ここに呼ぶ」ボタンを押すと、一番近くにいるタクシーが配車される。対応するスマートフォンはiPhoneとAndroid、そしてWindows Phone版アプリも今週中に提供が始まる予定だ。

「全国タクシー配車」サービスのアプリ画面
「全国タクシー配車」サービスのアプリ画面

川鍋氏によると、「約5年前に導入されたデジタル無線により、お客さんに一番近いタクシーを配車することが可能になったが、“ラストワンマイル”――ここで乗りたいというお客さんの要望にはこれまで応えられなかった」とのこと。しかし、スマートフォンの活用により、利用者が今いる場所へ、迅速にタクシーを配車することが可能になった。このように利便性が向上したことから、今後は「タクシーを自家用車の代わり、運転手の代わりに使ってほしい」と川鍋氏は語った。

実は日本交通では今年1月から同様のサービスを提供しているが、日本交通が営業する都内以外のエリアでも使いたいという声が多数あったことから、今回、全国のタクシー会社と提携。全国タクシー配車サービスの提供を開始することにしたそうだ。まずは、札幌、埼玉、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、福岡の10地域で利用可能になっており、さらに「1年以内に19の政令指定都市すべてをカバーしたい」(川鍋氏)という。また、日本マイクロソフトはクラウド基盤「Windwos Azure Platform」を活用したサービス開発など、技術面等で協力している。

全国タクシー配車サービスに参加するのは、北海道のSKタクシーグループ、埼玉県の日本交通埼玉と三和交通埼玉、東京都の日本交通グループと荏原交通、日本交通立川、三和交通三多摩、神奈川県の三和交通横浜、愛知県の名鉄タクシーホールディングス、京都府のヤサカタクシー、大阪府・兵庫県の国際興業大阪、岡山県の両備グループ、福岡県の福交タクシー無線グループ。合計の車両台数は8595台で、全国のタクシーの約4%が参加することになる。3年後には6万台を目指すという

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