11月10日・11日の2日間にわたり開催されるNECのプライベートイベント「iExpo2011」。その開催前日の11月9日、NECは報道関係者およびアナリスト向けに内覧会を行った。今年のiExpoは、「新しい街づくり」「新しいライフスタイル」「新しいビジネススタイル」の3つのテーマ別に、ソリューションを展示している点が特色となっている。
この日行われたプレスツアーで、「新しい街づくり」コーナーの見所の1つとして紹介されたのは、街頭に設置された監視カメラのようなクローズドな映像を、災害などの緊急時にユーストリームなどで一般に配信するためのソリューションだ。参考出展された多目的トランスコーダー「SP-08US」により実現する。説明員によれば、緊急時だけでなく、工場の監視カメラの映像を一時的に保守会社などに配信したりといった用途も想定しているという。このほか、「新しい街づくり」コーナーでは、クラウド型M2Mサービスプラットフォーム「CONNEXIVE」、ビルや店舗などの省エネ制御を行うSaaS型BEMS、家庭用蓄電システムなどの展示が行われる。
街頭の監視カメラなどのクローズドな映像を、緊急時にユーストリームなどに配信できる |
「新しいライフスタイル」コーナーの見所は、24時間見守り支援サービスだ。最近、ネットワークカメラを使った見守りサービスが増えているが、NECのサービスの特徴は、冷蔵庫の開閉やテレビの電源オン/オフの回数といった生活行動リズムの把握により、お年寄りなどの様子を見守れること。このためプライバシーにもしっかり配慮できる。冷蔵庫などに取り付けられた無線センサーが収集した情報はNECのサーバーに送信され、利用者はクラウド上でその日、冷蔵庫が何回開けられたかなどを確認可能。また、無線センサーの寿命は約1年で、説明員によれば、これだけ長期稼動する無線センサーは「世界初」だという。
冷蔵庫のドアの開閉やテレビの電源オン/オフなど、ふだんの行動を把握することで見守りを実現 |
「新しいビジネススタイル」コーナーの注目展示は、まず52インチの巨大タブレット「X-info Table」だ。テーブルに組み込まれたこのタブレットは、災害時などに効率的な情報分析と迅速な意思決定を行うためのもの。巨大液晶に様々なファイルを広げ、マルチタッチによる直感的操作が行える。「紙のように扱えることをコンセプトにした」(説明員)とのことだ。
52インチの巨大タブレット「X-info Table」 |
また、スマートフォン/タブレット向けのAR・画像・音声認識クラウドサービスも参考出展。これは、スマートフォン/タブレットを使ったARサービスなど向けに、画像・音声認識エンジンをWeb APIで提供するもの。「2012年度の商用化に向けて現在テストマーケティングをしているところ。クラウドサービス化することで、幅広い用途に使われるだろう」と説明員は語った。さらに、「新しいビジネススタイル」コーナーでは、ユニファイドコミュニケーションや遠隔会議など、ワークスタイル改革に関する展示にも力が入れられていた。