チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは2011年7月5日、次世代ファイアウォール「Check Point R75」の国内販売を開始した。同社ではR75の発売を機に、既存製品から次世代ファイアウォールへの移行促進に力を入れていく考え。藤岡健代表取締役社長は「R75を中核に、日本での売上を向こう3年間で倍に成長させたい」と語った。
チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ 藤岡健代表取締役社長 |
2010年にワールドワイドでの売上規模が10億ドルに達したチェック・ポイント。国内ではさらに今後3年間で倍増を目指すという |
他社の次世代ファイアウォールとの違いは?
R75は、Software Bladeアーキテクチャを採用した同社の統合ネットワークセキュリティ製品の新版だ。ファイアウォール、IPsec VPN、IPSなどを個別のセキュリティ機器で実現するのではなく、ソフトウェアモジュールにより各種セキュリティ機能を柔軟に追加・拡張していける点がSoftware Bladeアーキテクチャの特徴である。R75では新たに「Aplication Control」「Identity Awareness」「DLP(データ損失防止)」「Mobile Access」の4つのSoftware Bladeが加わっている。
R75で強化された主なポイント |
次世代ファイアウォールの基本的特徴といえる機能を提供するのは前者2つだ。Aplication Controlは、SkypeやYouTube、SNSなどWeb2.0アプリケーションの種類を識別し、利用をコントロールするための機能だ。また、Identity Awarenessでは、ユーザーやグループ、マシンの詳細把握と、それに基づくポリシーの実施が行える。
ユーザーまたはグループレベルでのアプリケーション利用の識別・制御が可能 |
他社の次世代ファイアウォールとの違いとして強調されたのは、まず「UserCheckテクノロジー」を搭載している点だ。これは、ユーザーがポリシーに反するアプリケーションを利用しようとした場合に警告のポップアップを表示する技術。ただ単に警告するだけではなく、Explainボタンをクリックして業務に必要な理由を入力することで、禁止アプリケーションでも利用を許可することができる。このUserCheckのメリットは大きく2つだ。1つは教育効果――社員のセキュリティ意識の向上が望める点である。藤岡社長は、社員の意識改革により前年同月比約30%の節電を実現した企業のケースを紹介したうえで、「セキュリティも一緒で、社員の意識向上が非常に重要な要素だ。Explainボタンなどの積み重ねにより、全社員にセキュリティ意識を浸透させていくことができる」と語った。
UserCheckテクノロジーにより、社員のセキュリティ教育も可能 |