調査会社のMCAは2024年4月19日、携帯電話基地局市場の調査結果を発表した。
それによると、2022年度におけるキャリア各社の設備投資額はNTTドコモが5466億円、KDDIは3380億円、ソフトバンクが3475億円、楽天モバイルは2952億円、UQコミュニケーションズが90億円、Wireless City Planningは100億円の合計1兆5463億円と推定。セルラーキャリア各社はKDDIを除き、ほぼ横ばいの投資額になっている。
2023年度はドコモが5660億円、KDDIは3400億円、ソフトバンクが2700億円、楽天モバイルは1776億円、UQコミュニケーションズが100億円、Wireless City Planningは100億円の合計1兆3736億円を見込む。ソフトバンクと楽天モバイルによる投資抑制が2023年度からはじまり、国内キャリア投資額に向かい風となっている。
今後、ドコモは5000億円半ばで推移し、KDDIがモバイル向けに3000億円超の投資が続き、2026年度に3000億円に落ち着く。ソフトバンクは2022年度をピークに、2023年度以降は2700億円の投資が続く。一方、楽天モバイルは2022年(2022年12月期)まで約3000億円の投資が続くが、2023年以降は大幅に投資抑制が進む。それに伴い、合計投資額は2026年度に1兆2100億円にまで縮小する見込みだ。
国内市場における5G基地局数(LTE周波数のNR化含む)は2022年度時点で16万9800局となった。
ドコモが3万900局、KDDIは5万2000局、ソフトバンクが6万5300局、楽天モバイルは2万1600局である。
KDDIが2022年度にLTE周波数のNR化を積極展開したことにより、大幅な拡大となった。5G専用周波数帯に注力するドコモと楽天モバイルに対し、LTE周波数のNR化に注力するKDDIとソフトバンクとの新局数の開きが際立っている。
現在、キャリア各社の設備投資は5G向けが主流になっているものの、LTE向けも小規模に推移していく。今後、各社の基地局投資はドコモが2500億円強で推移するのに対し、KDDIは2024年度以降、ソフトバンクが2023年度以降、投資抑制が始まる。楽天モバイルに至っては2024年以降、大幅に投資が抑制される見込みだという。