総務省は2024年1月24日、公正競争ワーキンググループ(WG)の第1回会合を開催した。電気通信事業分野における公正な競争の確保の在り方について検討を行い、夏ごろまでに情報通信審議会 電気通信事業政策部会 通信政策特別委員会へ報告する。
電気通信分野においては従来、電気通信事業法とNTT法の両輪で公正な競争の確保が図られてきたが、NTT法の見直しの動きが具体的に進むなか、これからの公正競争の在り方を検討するのがWGの目的だ。
第1回会合では、事務局を務める総務省がWGで検討する項目案や、通信市場およびNTTの現状、現在の公正競争確保の枠組みについて説明した。
まず検討項目に関しては、以下のスライドの通り、大きく5つの柱が示された。「公正な競争とは?」という基本的な考え方から始まり、NTT東西の通信インフラと業務の在り方などについて検討を進めていく。
5番目の「その他必要と考えられる事項」として、「ネットワークの仮想化・クラウド化の進展を踏まえた規律の在り方」が挙げられているのは、NTT東西の地域電気通信業務は「事故設備を用いて行わなければならない」という規律が現在あるからだ。海外では、クラウド事業者にネットワーク制御機能等を委ねるケースも出てきており、仮想化・クラウド化に対応した整理が必要になる。
また、NTT法との関連でいくと、以下スライドの赤い枠で囲った部分が、公正競争WGの検討対象となる。