「NEC IR Day 2023」において、テレコムサービスと航空・宇宙・防衛のANSの2つのBU(Business Unit)からなる社会インフラ事業の戦略を説明するNEC 執行役 Corporate SEVP 兼 Co-COOの山品正勝氏
「費用構造の見直しとビジネスモデルの変革により高収益事業に転換する。そのためにテレコムサービスでは、グローバル5G戦略を見直す」
NECは2023年11月30日、機関投資家や証券アナリスト向けの説明会「NEC IR Day 2023」を開催。そのなかでテレコムサービスと航空・宇宙・防衛のANSの2つのBU(Business Unit)からなる社会インフラ事業について説明したNEC 執行役 Corporate SEVP 兼 Co-COOの山品正勝氏はこう明言した。
NECは従来、Open RAN市場の立ち上がりを捉え、海外5G基地局市場のシェアを拡大させる戦略を描いていた。だが、「Open RAN市場の立ち上がりは大幅に遅れているという認識」と山品氏。また、ICT市場では台湾ベンダーが参入するとコモディティ化が一気に進むのが通例だが、「RU(無線ユニット)でも同様のことが起こっている」のに加えて、ネットワークインフラへの投資そのものがグローバル全体で低調な状況が続いている。
こうした状況を鑑み、NECは海外事業を「すでにパイプラインを持っているところにフォーカス」する形で整理。併せて提供するソリューションについても、100%子会社のNetCrackerが手掛けるOSS/BSSやvRAN(仮想無線アクセスネットワーク)、通信事業者向けのDXソリューションといったソフトウェアへのシフトを加速させながら、開発投資を適正化する。
「グローバル5Gについては、かなり投資を突っ込んできた部分を見直した」。山品氏はこのように述べたうえで、「従来は高い技術力を持っていながら低い利益率だったが、これからは利益にこだわり、高い技術力をマネタイズする」と強調した。
具体的には、テレコムサービスの2022年度の売上収益は7799億円、特殊要因を除いた営業利益率は7.9%だったが、2025年度に売上収益9000億円、営業利益率12.4%に改善させる計画だ。