――Bluetooth 4.0の登場で、どのような変化が起きますか。
フォリー Bluetoothの用途が大きく広がり、今までとはまったく違う新しい世界が広がるでしょう。
まずはヘルスケア分野です。v4.0対応のセンサーと携帯電話を使って、血圧や心拍数等をエクササイズ中などにモニタリングできるようになります。
コンシューマエレクトロニクス分野での役割も一層拡大します。例えば、リビングルームのテレビと携帯電話などをBluetoothで接続し、さまざまな重要情報を家中に伝達できるシステムも実現可能です。
――それは具体的にはどんな使い方がされるものですか。
フォリー 多くのユースケースが考えられますが、例えば携帯電話が鳴ると、その発信者番号がテレビ画面に表示され、さらにテレビのリモコンで着信に出るか出ないかを選択するといったことが行えます。また、ホームセキュリティへも応用できます。窓やドアなどに取り付けたセンサーと連携して、就寝前にテレビで戸締りを確認できるのです。
このほか、もちろん携帯電話や車載端末での活用ももっと広がるでしょうし、スマートグリッド/スマートエナジー分野についてもBluetooth SIG内の専門グループでまさに今、検討が進んでいる最中です。
大幅な省電力化が特徴
――用途が拡大した背景には、どういった仕様拡張があったのですか。
フォリー v4.0の最大の特徴は、低消費電力です。きわめて低い消費電力で動作する「Low Energyモード」が追加され、センサーに実装してもバッテリー交換なしで長期間動作するようになりました。
また、省電力化のおかげで、新しい種類のデバイスにBluetoothを実装する際、Bluetooth SIGがプロファイルを作成するまで待つ必要がなくなった点も重要です。従来は、デジタルオーディオプレイヤー用など、デバイスごとに最適化された専用プロファイルが必要でしたが、省電力化したことで、汎用的なプロファイルで新しいデバイスに対応可能になったのです。
――センサーや家電など向けの無線規格は他にもありますが、Bluetoothの優位性はどこにありますか。
フォリー まずはロバスト(堅牢)であること。そして、すでに数十億台の製品に使われていることです。ユーザーは携帯電話などでBluetoothに慣れていますし、また規模の経済も働きます。
――v4.0を実装した製品が市場に現れるのはいつ頃になりそうですか。
フォリー 米ラスベガスで1月に開催された家電見本市CESでは、v4.0対応製品のプロトタイプが数多く出展されました。夏ではまだ早いかもしれませんが、年内にはさまざまな製品が登場すると思います。